岐阜県建築士会 女性委員会

公益社団法人岐阜県建築士会 女性委員会
岐阜県建築士会公式HPはこちら

平成25年度活動報告ブロック会 後期 加賀大会

HOME平成25年度活動報告ブロック会 後期 加賀大会東海北陸グロック会 後期 加賀大会 報告2(分科会報告)

東海北陸グロック会 後期 加賀大会 報告2(分科会報告)

第1分科会:「繁栄」~豪商の築いた時代を感じる~
蔵六園の入り口



★建築士会東海北陸ブロック会 女性建築士協議会

平成25年度後期定例会議 加賀大会

日   時:平成26年3月1日(土)、2日(日)
開催会場:
 山代温泉 ゆのくに天祥
       (〒922-0298 石川県加賀市山代温泉19-49-1
             電話 0761-77-1234)
【テーマ】「加賀の地で再興を考える」
参 加者:5名
 

 ■1日目/3月1日 (土)

分科会         15:00~18:00
   第1分科会:「繁栄」~豪商の築いた時代を感じる~
   第2分科会:「継承」~伝統的jな建築素材と子供たちの気づき~
   第3分科会:「再興」~再興九谷焼の歴史を学ぶ~

 

第3分科会:「再興」~再興九谷焼の歴史を学ぶ~
石川県九谷焼美術館 入り口にて説明を受ける。



加賀大会 第
1分科会
「繁栄」 ~豪商の築いた時代を感じる~
B班 蔵六園の見学・古九谷の特徴解説

報告者:伊藤麻子
 
 
関東圏では大変な大雪が連日ニュースとなっていて、私の住む高山もたっぷり降ったところでした。全国的にそうだと思っていましたが、北陸では例年になく雪が少ないのだそうで、小雨模様ではありましたが、温かく過ごしやすい3月初めの週末でした。
会場であるきらびやかな「ゆのくに天祥」からバスで30分、加賀橋立に到着しました。石川県内では金沢市の茶屋街界隈や輪島市黒島地区と共に伝建地区に指定されていて、赤煉瓦と青みがかった笏谷石の石垣が特徴の街並みでした。
この中の旧酒谷家(国指定有形文化財)「蔵六園」の見学コースです。
そこで始めに伝建地区としての橋立を市役所の方が解説され、次に蔵六園と古九谷の解説を当館の館長がお話くださいました。
橋立地区は江戸後期から明治中期にかけての北前船の最盛期に、その船主や船頭の建築物で成立した町で、大阪から北海道の間を交易して莫大な富を得ていました。
地形的には市街部である丘陵地が海にせり出して、海に程近いけれど断崖絶壁で区切られています。海岸線に沿って通る道路に立ち並ぶ家々は比較的間口が狭く、切妻の妻入りスタイルで、加賀地方の典型的な農家の平面形式が変化したものとパンフレットにはありましたが、農家というより町家に近い印象を受けました。
中に入ると「オエ」と呼ばれる天井の高い、大きな丸太梁(飛騨ではこれを牛梁(うしばり)と呼んだりします)と厚い差鴨居が紅殻で赤く塗られた素敵な部屋があります。
加賀は北陸のなかでは雪がさほど多くないようで、柱や梁の太さが新潟、富山などの豪壮なそれとは違い、若狭から始まる西日本の雰囲気も混じって瀟洒な雰囲気です。高い縦張りの板や屋根の特徴も雪の多さより風の強さを心配してあるようでした。
雨で街並み見学が中止になり、とても残念です。傘をさしてでも行きたかった・・・
移動時間も長かったので、あっという間に終わってしまい、もう少し長く居たかったと後ろ髪を引かれる思いでバスに乗りました。今度はプライベートで是非ゆっくり訪れたいと思います(温泉も)。

CIMG6099.jpg

CIMG6101.jpg
(古九谷の説明を受ける)

CIMG6100.jpg
(蔵六園の庭園)



 
 第2分科会 
「継承」~伝統的な建築素材に触れる事で得られるこどもたちの気づき~
 
                     報告者:高野栄子

 第2分科会は福井県の女性委員の皆さんが行われた「住育」活動の報告と、ワークショップでした。
 小学校への出前授業を行われた報告は、私たち岐阜県の活動ともつながるところが有り大変参考になりました。また実際に木材についてのクイズをしたり、工作を体験して内容がさらによくわかって良かったです。ちょっと時間が少なくて残念でしたが、
なかなか貴重な体験をさせて頂きました。楽しかったです。

分科会2.JPG
(ワークショップで木の時間割(カレンダー)作成風景)


加賀大会 第3分科会に参加して

 

     報告者:井之口洋子

 

「今回の東海北陸ブロック会は加賀ということで,この時期は雪がすごいのではないかと予想していましたが道中に雪はなく、安心して会場に向かうことが出来ました。

私が参加したのは第3分科会です。「再興」をテーマに九谷焼の歴史を学ぶとのことでした。

まずは県立九谷焼美術館での見学でした。

 

やはり、建築士会の見学と言うことで担当者の方が九谷焼そのものを説明するというより九谷焼の歴史、山代温泉とのつながりなど、それらが美術館にどう生かされているかを重点的にわかりやすく説明して頂きました。

また、中の展示方法も展示する側と見学者との関係がよく考えてあり、展示を見ているときに隣の人が気にならないようにブースに壁があったり、体をあずけながら見られるような工夫もあり、色々発見がありました。美術館に入ってすぐ見える中庭についても説明があり、いかにスタッフの方がこの美術館を大事に思っているのかわかりました。

特に展示されている九谷焼の年代によって内装が変えてあり、目で見るだけでなく体感しているような感じがしました。時間が40分ということで、効率よく説明していただいたのですが展示を見る余裕はなくて今度はゆっくりと見学に来たいと思いました。

 

美術館の見学が終わったあとは、隣にある古九谷の杜親水公園を通り山ノ下寺院群を見学しました。こちらでは加賀市建築職員の方に説明をして頂きました。地元の高山でも景観を保存する為に色々補助金を出して整備するなどしていますので、興味深く見学できました。ちょうど新築中の住宅が近くにあり、そちらも景観を損ねないように色々指定があるようでした。目についたのは屋根の色です。古代赤瓦という、一律の色でなく表情がある瓦でした。景観保全は住民の方の協力なくしては成り立たない話ですので、それぞれの苦労があることと思いました。

最後は蘇梁館の見学でした。平成12年から3年掛けて移築されたという建物でした。内部の梁はとても大きく、迫力がありました。

この建物を一般にも開放してあるということで、床暖房がしてあり、とても過ごしやすい建物でした。

 

九谷焼の歴史を学ぶのはもちろんでしたが、九谷焼が再興したように建物も再興できるという見学コースだったと思いました。

使い手、住み手と建築の作り手。どちらが欠けても再興は成り立たないのですね。

石川県建築士会の皆様、色々準備大変だったと思いますがありがとうございました。

20140301-02 ブロック加賀P3011711.jpg
(県立九谷焼美術館 正面玄関)

20140301-02 ブロック加賀P3011714.jpg  20140301-02 ブロック加賀P3011715.jpg
(入り口にて九谷焼きの傘立て、傘掛け)

20140301-02 ブロック加賀P3011725.jpg
(内部の展示)

20140301-02 ブロック加賀P3011729.jpg
(内部の展示)


20140301-02 ブロック加賀P3011739.jpg
(美術館内部の階段と石川県建築士会のハッピ)
 

 

20140301-02 ブロック加賀P3011710.jpg
(古九谷の杜親水公園)


20140301-02 ブロック加賀P3011706.jpg
(山の下寺院郡の町並み)

20140301-02 ブロック加賀P3011707.jpg
(赤瓦の寺)

20140301-02 ブロック加賀P3011705.jpg
(蘇梁館 全景)

20140301-02 ブロック加賀P3011686.jpg
(蘇梁館内部にて説明を受ける)

20140301-02 ブロック加賀P3011703.jpg
(蘇梁館の庭)

20140301-02 ブロック加賀P3011691.jpg20140301-02 ブロック加賀P3011693.jpg 

20140301-02 ブロック加賀P3011695.jpg 20140301-02 ブロック加賀P3011696.jpg
(各部屋で異なる釘隠)