平成23年度活動報告全建女 京都大会
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全建女 京都大会 1日目
東日本大震災の現状報告
(社)福島県建築士会報告の様子
(社)福島県建築士会報告の様子
◆平成23年度全国女性建築士連絡協議会(京都大会)
1日目 平成24年 2月17日(金)
13:00~14:45 全国女性委員長会議
15:00~15:15 開会式
15:15~16:45 東日本大震災の現状報告 仮設住宅の現状と課題
(社)岩手県建築士会
(社)宮城県建築士会
(社)福島県建築士会 福島県報告
16:45~18:00 基調講演
『京都の景観から考える地域のまちづくり』
講師:高田光雄氏(京都大学大学院工学研究科教授(社)京都府建築士会副会長)
18:00~18:15 レクチャー・オブ・フィールドワーク
19:00~21:00 交流会
舞妓さんと芸妓さんが各部屋を回ってくださり記念撮影をしました。
実行委員長さんをはじめ、京都の女性委員の方は着物を着てこの大会を運営されました。
全国女性部会長(委員長)会議報告
報告者: 委員長 飯沼 あい子
平成24年2月17日午後1時より、みやこめっせ「大会議室」での標記会議に出席しました。
まず平成23年度の日本建築士連合会の会務報告がありました。
主な報告として
・公益法人移行のための手続きが進んでおり今年度末の認定をめざしている。
・建築士定期講習については平成24年3月末で一順するが来年度から12,900円に引き下げることになった。
・地域貢献センターへの活動助成を平成23年度をもって終了し、今後は地域実践活動支援のための新法人の検討に入った。
・東日本大震災に対する支援活動を行った。又被災地へは全国より1540万円の見舞金が被災7県に送られた。
・平成24年度第55回建築士全国大会が10月19日茨城県文化センター他で行われる。
次に協議事項として平成23年度全国女性建築士連絡協議会アピールについての内容の確認がなされました。
又、平成24年度の協議会は開催されず、平成25年度に行われるが開催希望県があれば立候補して欲しいとの事になった。ただ、予算は厳しく今回の京都においても青年の協力を得て本会や近畿ブロックの援助金を受けて開催できたとの報告も受けた。
基調講演報告
「京都の景観から考える地域のまちづくり」の講演を聞いて
報告者:宇佐美 泉
東日本大震災の現状報告のあと、京都大学大学院工学研究科教授の高田光雄先生の話を聞いた。
京都は、景観問題がまちづくりを考える上で、最重要課題となってきたこと。景観問題は、史跡・名勝のような特別な場所を取り巻くものと、人々が暮らす一般市街地の景観とがあり、後者の方がまちづくりの課題として議論されてきた。
京都には古くから京町家があり、みちの両側のいえが辻から辻まで集まって「町(ちょう)」というコミュニティーの単位をつくる「両側町」というしくみで作られ、現在も管理・運営の伝統は継承されている。
さらに、明治時代になり64の番組(町組)小学校を起源とする「元学区(もとがっく)」が創設され、町の次の規模のコミュニティーの単位となっている。町家が集まり「町」をつくり、「町」が集まり「元学区」をつくる。この中でのルールに従い生活が営まれている。
と同時に、その景観の保全や再生がなされてきた。
又、京都市は古くから景観保全が図られてきた。都市計画法に基づく風致地区の指定に始まり、屋外広告物条例・風致地区条例・市街地景観条例・伝統的建造物群保存地区条例等様々な景観政策が行われ、他の都市の景観政策モデルともなってきた。
それにも関らず、何度となく論争や紛争が繰り広げられた。京都タワー論争や京都のマンション論争などがあるが、近年では、町家などの既存住宅住民対マンションデベロッパーの戦いがあるが、本質的な問題は既存コミュニティーが解体する(保たれない)という危機。こうした状況の中で、異なる価値観をもった住民たちが「自分たちのまちは、自分たちで守り育てる」という取り組みが始められた。
1997年に、「京都市景観・まちづくりセンター」が設立され、住民・行政・事業者が連携してパートナーシップを組みながら暮らしのルールをつくりあげていく動きが生まれた。
その後にも起こったマンション紛争にも、地域住民とデベロッパーが対立しあうのではなく、価値観の違いを認めて共有=共生していこう。町の将来像について、十分に議論しよう。しっかりとしたルールを地域の人々と地域以外の人々でつくっていこう。という想いになっていき、現在に至っている。
という内容だった。この美しい古都・京都が、様々な問題とぶつかりその都度最善策を模索しながら歩んできて、今の京都があるんだということがよくわかった。
最後に、何度来ても京都はいい!と改めて思った。
「東日本大震災の現状報告 仮設住宅の現状と課題」を聞いて
報告者:髙野栄子
私は今回、はじめて全建女に参加しました。全国から建築士という仕事をしている女性が500名近くも集まって開かれる会は、とても有意義なひとときでした。
東日本大震災の現状報告と仮設住宅の現状と課題は、一言で言い表せないようなお話でした。東北3県の女性委員会の方が順に、震災直後の現状や自分たちの活動内容、職業柄一番興味をひく、仮設住宅について話されました。
宮城、岩手の両県は沿岸部の津波被害の事が大きくとりあげられていますが、実は内陸部での建物被害も甚大で、みなさんは自転車や徒歩で応急危険度判定に走り回られてご苦労された事、岩手は「花咲プロジェクト」宮城は「こころはひとつ作戦」という活動をされて復興復旧にむけてがんばっていられることを知りました。
仮設住宅に関する報告は、各報道で知ってはいましたが、実際に経験されている方の生の声を聞くとその大変さが実感出来ました。一番気になったのは、仮設住宅の格差という事です。数が多く全て一律に出来なかった事は知っていますが、鉄骨のプレハブあり、木造有り、2.3階建てありといろいろ出来てくるとその居住性に違い出てきていることに疑問を感じました。被災されて大変な思いをされている方が少しでも快適にくらせることを願いました。
最後に一番心に残った事は、やはり福島の方々のお話でした。「原発の事故は人災です」
と力強く言われたこと、今もそこに暮らす子供達の事など、私も子供を持つ母親として、とてもよく気持ちがわかりました。話されている方が感極まって涙声になられると、私も一緒に涙がでました。改めてなぜこんな事になっているのか、これからどうしたらいいのか、私なりに考えることが出来るとてもいい機会になりました。
時間がなく慌ただしい京都でしたが、この方達の話を直接聞かせていただいただけでも十分意義のある大会でした。災害というものに対する思いが変わった気がしました。
報道ではなく実際の経験のお話は心に響きました。出来ることならいつか実際に東北3県を訪れてみたいと思いました。パワーポイントを使用して三県の報告が行われました。
交流会報告
報告者:飯沼 あい子
がんこ高瀬川二条苑にて交流会が行なわれました。
ここは商人 角倉了以(すみのくらりょうい)の別邸として造営されましたが、明治になって山県有朋の別邸「第二無鄰庵(むりんあん)」となり、その後第三代日本銀行総裁川田小一郎の別邸、次に阿倍市太郎と移り、現在は大岩邸となりがんこ高瀬川二条苑として使われているという事です。
由緒ある建物と広大な庭園で夜でなければゆっくり散策できたのにと残念でした。
次の日の分科会のフィールドワークに合わせて参加者も別れており、G分科会参加の河内さん、下川さんと共に蔵(もちろん部屋として改装されていましたが)で食事を楽しみました。他県の方々とも交流が出来て良い取り組みだと思いました。
後半には舞妓さん登場のサプライズもあり(残念ながら踊りは見られませんでしたが)、写真撮影もできて、楽しいひと時を過ごす事が出来ました。
交流会の様子
庭から交流会場を見る
交流会の様子
庭から交流会場を見る