岐阜県建築士会 女性委員会

公益社団法人岐阜県建築士会 女性委員会
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平成22年度活動報告全建女

全建女 分科会報告

E分科会の様子


平成22年全国女性建築士連絡協議会(東京大会)

日 時:平成22年7月16日(金)~17日(土)
会 場:建築会館ホール
    東京機械本社ビル
テーマ:『女性建築士の新たなる出発』

 

パワーポイントを使っての発表の様子


平成22年7月17日(土)

[分科会]9:00~11:30  
A分科会「士会活動と女性」 司会 田井中恭子(滋賀)
   
B分科会「環境共生住宅」 司会 小野全子(愛知)
C分科会「健康住宅と素材」 司会 久米えみ(長野)
  D分科会「建築物の再生活用」司会 塚原孝子(佐賀)
E分科会「歴史的な建物とまちなみ」 司会 本間恵美(北海道)
F分科会「子供と住環境」 司会 河野房子(広島)
G分科会「高齢社会」 司会 西田真紀子(石川)
H分科会「集まって住む」 司会 土田久美子(秋田)
 
          岐阜県女性委員参加分科会


B分科会「環境共生住宅」に参加して

                          報告者:飯沼あい子

 福島県建築士会が「ふくしまの家地域活性化支援事業」により手がけられた「会津百年スギの家」の取り組みについて発表されました。「木楽塾」と命名された展示住宅ですが、各種勉強会や体験宿泊・地域のイベントにも使われているそうです。特徴的だったのは地元の木材を使い、金物を使わない昔からある木組みで組んである事でした。
 長野県建築士会からは、会員の一人が取り組みをされた地域木材利用の実例が紹介されました。実際に山へ入り木を切り出すところから施主と共に係わりを持ち、山の木に手を入れなければならないという意識を持たれたそうです。
 
 2例共に地元の木材を使って環境を考えるという事で、参加者からは太陽光や雨水利用などのエコ的なものを想像していたという意見もありましたが、岐阜県も含め、山が多い日本の木を育てる林業が疲弊していてはいけないという認識を皆が共有できた分科会でした。
尚、またまた最後になりましたが、大石氏(岐阜県)が参加されていて岐阜の木造塾の話をして下さいました。(本当は上手く説明できない飯沼が突然振ってしまったのです。ごめんなさい)


E分科会「歴史的な建物とまちなみ」に参加して

                          報告者:長瀬八州余

 今回のコメンテーターは東京建築士会の多羅尾直子氏『復校小学校と明石小学校保存活動』と大阪府建築士会の曽我部千鶴美氏と材寄法子氏『高島屋東別館(旧松坂屋大阪店)』の2件についてです。
 明石小学校は9月に解体が決まっていて、本当に差し迫た状態で、今 署名活動の最中ということでした。会議中に署名用紙が回されて皆さん署名をされていました。他の分科会にも署名用紙を回しているということでした。
 今まで保存運動等にたずさわってきた方々のお話では、行政に働きかけるのには署名が一番だということでした。本当に残したいのなら、なりふり構わず、自分に規制をかけずに何でもやってみなくてはダメだともおしゃってみえました。
 保存は大事だが、今行政もお金が無い状態なのでなかなか難しい、もっとネットワークを拡げていく必要があるのではないかという意見も出ました。
 高島屋東館(旧松坂屋大阪店)についても、今すぐに壊されるということはないが、これとしいった使われ方がされていないということでした。DVDで映像を流されてのですが、それを見て松坂屋本店も古いことがわかりました。今まで買い物に行って建物を見ていましたが、指摘されるとそういえばそんな物があったなあと思いました。今度本店に行ったらじっくり見てこようと思いました。来年の建築士会の全国大会は大阪でそれに向けて建物マップを作成しているというお話もありました。
 今年の分会会はまちなみというよりも近代建築の保存についての話し合いとなりました。




F分科会「子供と住環境」

                       報告者:下川滝美
 
 昨年からこの分科会に参加しています。
 日ごろ子供達と福祉のまちづくりのボランティアをしているので参考になることがあればと思い参加をしました。
 発表は広島建築士会の「廣島からヒロシマ、そして広島へ~歩いてさがそう未来のひろしま~」
平成21年に広島平和記念都市建設法制定60周年記念事業の一つとして子供を対象にした事業としてこの広島の街をめぐるウォークラリーを企画実行したその報告でした。
建築士が入ることで都市計画のルールをもとに過去を学び現在を知りそして未来をどうしたら良いかを考えるという企画の物でした。
綿密な企画の上に女性ならではの心使いもありました。
イベントは1230分~530分、夏ということもあり2時頃にはおやつポイントを設けメディカルチェックもするなど水分補給や暑さ対策にも気をつかっていました。活動は広島の次は呉、福山と継続されるようです。活動を通して気づいたことが大人になってどのようにこの町を支えていくのか子供達の将来にもかかわる事業だと思いました。
活動報告の後は各県の子供を巻き込んだ活動の報告をしていきました。
住教育支援チームや子供の生活環境部会などがある県もあり、多くの県で子供と関わりのある事業をしていました。多くの活動報告を聞いてとても参考になりました。



 
H分科会「集まって住む」に参加して

         
                       報告者:河内美代子

東北ブロックの土田さんの司会、コメンテーター東京士会・中野さんの事例発表で始まった。
事例報告:東京都南区では人口流出に歯止めをかけるため、1994年に借上げ住宅制度を設け、それから18年かけて5万人減少した人口がほぼ元に戻ると言う成果を上げた。そして2010年でこの施策は役目を終えたということであった。
港区は昼間人口が夜間人口の5倍と言う特殊事情もあり、人口の高齢化とともに地域の祭りなどの担い手も減少するなど、人口流出に悩みを抱えていた。そこで港区にゆかりのある人を対象とした低家賃の賃貸住宅を供給することにより、人口を呼び戻した。
中野さんが手がけた賃貸住宅は7階建ての6・7階に施主が住み、2~5階を賃貸住宅として供給したと言うことであった。
メリットとしては20年で借上げ契約解消なので安心。安く供給する部分は区が補助するので、貸主としての収入は同じ。さらに建設費の利子補給もあり、空き家保証もある。
デメリットとしては、優良賃貸住宅の基準をクリア―する必要があり、若干厳しい。
この制度にのった住宅を借りると市価の2~2.5割ほど安くなり、要件を満たした住民にとっては魅力的な住まい。ただ、今回物件も70㎡と家族で住み続けるには若干狭い。
 
しかし人口減少が進んでいく中、特に岐阜のような中山間地の多い地域にとっては、どのように住民サービスを継続するかとか、安心して暮らせるかなどと考えた時、一つの考え方として集まって住む住まいを考えたときに、この港区の事例は参考となるだろう。
 
また参加者からは、空き家対策としての既存住宅の有効活用、若者対策、地域として集まって住むなどの形を考えていく必要があるとか、「家族の輪」と言うものを再考したいとか、同じような対象ばかりが集まって住むと偏ったコミュニティーとなる恐れがあるなどと言った意見が寄せられた。