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平成30年度活動報告

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大野町「北岡田家」見学会

建物見学の様子

 

日 時:平成30年9月25日(火)
    13:30~15:00
会 場:北岡田家
    揖斐郡大野町相羽字村通282
参加者:11名
 


 

女性委員会見学会「大野町 北岡田家住宅」  

 

報告者:小林教子 

 

 女性委員会終了後、大野町 北岡田家住宅を見学させていただきました。

 ここは全建女「魅力ある和の空間ガイドブック」で紹介をした物件です。現在は大野町が所有し、主屋は「国登録有形文化財」に登録されています。

 大野町の教育委員会の方の案内で、表門・米蔵・坪ノ内(庭園)・道具蔵・北納屋(厩と味噌蔵)・東納屋を経て、母屋と離屋の内部を見学しました。

 北岡田家は、江戸時代大垣藩領柴村の庄屋や段木御用の土場船方取締役を務め、5代当主岡田善麿氏が30年かけて完成させた建物群で、肖像画が母屋の仏間に掲げてありました。

 庭園の高低差(築山と池底)は5.5mあり、大水害の経験から最後には築山が避難所にとなるよう設計されたとか。表の道路より敷地は1.5m盛土がされており、米蔵や坪庭を囲う塀は玉石積がされています。表門前の土手は町道に改修されています。

 主屋の内部は大きな木割の豪壮な空間と、細部にも材料やデザインにこだわった造りとなっていました。特に現在ではもう制作できないような襖の織物や当時からの畳など、このまま展示していてよいのかと思われる貴重な材料は一見の価値があります。

最近まで大きな改造もせず、不便ながらも住み続けておられた持ち主の建物に対する愛着が至る所で感じられる物件です。

 ただ、天窓からの雨漏りも各所に見られ、離屋の傷みもかなりあり、大野町がどのように保存活用をしていかれるのか、老婆心ながらこれからのご苦労を少し心配してしまいましたが、このような貴重な建築物は市町村の覚悟がない限り残っていかないのが現実だと思います。

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(↑母屋の玄関前にて集合写真)

 

 

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(↑表門前にて説明を受けている)


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(↑お庭にて)


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(↑玄関内部にて)

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(↑奥の座敷にて)