平成29年度活動報告
平成29年度 第27回全国女性建築士連絡協議会(東京)その2 分科会報告
日時:平成29年7月15日(土)~16日(日)
会場:全国女性委員長(部会長)会議・・・リロ会議室「田町」
(東京都港区芝5-26-24)
全国女性建築士連絡協議会・・・・・日本建築学会建築会館ホール
(東京都港区芝5-26-20)
参加者:4名
B分科会「地産地消のすまい」に参加して
報告者:長瀬八州余
B分科会は12名+子供2名の参加者で今回の分科会で一番小さい分科会でした。
宮城県建築士会 高橋直子氏の「小規模下水処理技術、土壌浄化法」と福島県建築士会 酒井美代子氏の「地松プロジェクト」の2本立てでした。
宮城県建築士会 高橋直子氏の「小規模下水処理技術、土壌浄化法」
「小規模下水処理技術、土壌浄化法」は敷地内で汚水を処理したうえに、汚水処理場で発生する悪臭などの二次公害を防止できる汚水処理技術です。土壌動物や土壌微生物の力による、分解の実験結果やその力を活用したシステムについて、国内外の事例とともに報告がありました。
新見博士の娘である木村弘子氏が工法の開発者として、国交省・農林省の許認可を得、日本のみならず海外の下水処理場が建設されています。土壌浄化法は小規模な下水処理に適しており、これまで「下水道整備は無理」と思われていた地域にも導入が可能になります。
この工法は、約40年の歴史がありますが、まだまだ認知度が低く、行政等にしても「良くわかない」「前例がない」等の理由で、なかなか認められないので現実で地道は活動していくしかないとのことでした。もっと詳しく知りたい方は「NPO日本土壌浄化法ネットワーク」をご覧ください。
福島県建築士会 酒井美代子氏の「地松プロジェクト」
「地松プロジェクト」2017年2月から始まったばかりのプロジェクトです。
地松(ち“まつ)とは?地松の特徴とは?なぜ福島県で地松?
地松を無駄なく使う。山が抱える問題を解決するために、製材所、伐採業者、地主、管理者、工務店、設計事務所などが、連携してこのプロジェクトを始める。
国産材を使うメッリットを伝えていくことが必要であるが、流通の問題や価格の問題など多くの問題がある。
高知県の方も同じような問題を話して見えました。
コメンテーターの酒井さんは二人のお子さんを連れていらっしゃり(中三と中一)、先の土壌浄化の事例の場所へ行ったことがあり、臭いはしませんでしたと発言されました。小さいときからいろいろな士会の集まりに連れてきていたということで、ちゃんと発言もできて末頼もしいと思いました。
この分科会は高知県、宮城県、熊本県、福岡県、栃木県、岡山県、福島県、岐阜県からの参加者で人数も少なく、和気あいあいとした楽しい雰囲気でした。
(B分科会 宮城県建築士会 高橋直子)
(B分科会 福島県建築士会 酒井美代子氏)
D分科会「環境共生住宅」
報告者:伊藤麻子
コメンテーター 内田 泰代 宮崎県建築士会
発表者は長年、体調不良で苦しまれたのが近年になってじつはシックハウス症候群が原因だった・・・という体験から、自然素材による家を建てて、今では健康でシンプルな暮らしを営まれています。この家、確認申請が不要なボーダーラインの10m2以下6畳間「六帖軒」(むじょうけん)は、法律の縛りもほとんどなく、それゆえ伝統工法も意識した低コスト住宅を実現したものです。中年女性一人とヤギ一頭のとてもエコロジーな生活は、ほほえましく幸せいっぱいという感じです。
ご自身実践されてその勇気と行動力は評価しますし、楽しいお話でしたが、私たちは住まい方も含めた提案、設計を生業としているので、一般的におすすめするものではないなと思います。このお話の中で、伝統的な工法を用いることは大変難しく、妥協していった事も多かったそうですが、岐阜では同席した 桂川さんたちがやっている木造塾や高山市の伝統構法研究会という勉強、活動の場があってこちらは恵まれていると感じました。
全建女の分科会は同じ思いの人が全国から集まっているので価値観が共有でき、いつもながらに新鮮な感動と充実感が得られました。