岐阜県建築士会 女性委員会

公益社団法人岐阜県建築士会 女性委員会
岐阜県建築士会公式HPはこちら

令和6年度(2024)活動報告

HOME令和6年度(2024)活動報告令和6年度 第33回全国女性建築士連絡協議会(東京)その2 被災地報告、活動報告、基調講演、交流会

令和6年度 第33回全国女性建築士連絡協議会(東京)その2 被災地報告、活動報告、基調講演、交流会

東海北陸ブロック会女性建築士協議会の仲間と全員ではありませんが、集合写真

 

日時:令和6年7月14日(日)~15日(祝月)
会場:日本建築学会 建築会館とZOOM
    東京都港区芝5丁目26番20号
参加者:対面   名 リモート  名 合計 約300名
    (岐阜県から 対面4名、リモート2名)
テーマ:未来へつなぐ「まち・ひと・建築」~インクルーシブな社会を目指して~

 

基調講演では写真撮影やスクリーンショットは禁止でした。



 

 


 


■被災地報告

 

報告者:井之口 洋子

令和6年能登半島地震について、北陸3県と新潟県からの報告がありました。

今年の元旦に起きた地震ですが、いまだ復興途中という報道を見ます。

比較的北陸に近いところに住んでいるので、とても興味深く聞きました。

 

石川県では実際に起きた状況を時系列で報告されていきました。

モノの散乱している様子の写真は生々しく、かなりの揺れがあったと感じさせるものでした。

地震後の1/4~は応急危険度判定も始まったそうです。

その後は住宅相談の要請があって会員の方が参画されたようですが相談者の方に大丈夫ですよと声を掛けるだけで落ち着かれる方もいたそうです。

そんな中でも、震源地に近い珠洲市へ応急修繕に行かれた様子も報告があり、行くまでの困難さ等々とても大変だったことが分かりました。

富山県では国宝勝興寺の話があり、耐震補強工事が終わっていたため大きな被害がなかったそうです。

又被害が大きかった地域は地名に沼や水の文字が付いているところだったと聞き、昔からの地名を知っておくことも必要だと感じました。

福井県、新潟県では液状化現象化被害があり、その地区の被害が大きかったようでした。

特に福井県の方は経済を止めないことの重要性についても報告されていました。

平常時にどこまで行政と連携や交流が取れているかで非常時にとても役立つことや、災害時のネットワーク、情報共有が必要なことも報告されました。

また、被災後半年たった時点での被災者の方々の困りごとで一番多かったのが「居住環境」であったそうです。

建築士であることで、色々な場面でその知識、経験を役立てる機会があったにも関わらず、地震発生時には無力さを感じていることもあったと、悔しい思いをにじませながらの報告もありました。

報告を聞きながら、自分にできることは何だろうかと改めて考えることになりました。


写真 2024-07-14 14 00 52.jpg
(↑最初に北陸3県からの報告です)


P7146191.JPG
(↑福井県からの報告)


P7146188.JPG
(↑石川県からの報告)


P7146190.JPG
(↑富山県からの報告)


P7146196.JPG
(↑新潟県からの報告)

 

■活動報告

報告者:井之口 洋子

被災地報告の後は岡山県からの活動報告でした。

2018年(平成30年)の西日本豪雨災害から6年経った現在の様子です。

 

災害後6年がたち、様々な事業や支援が終了し節目の時期と捉えていました。

災害のあった2018年から被災者、行政、社協、民間団体、NPO他と繋がり始め、岡山県被災者支援士業連絡協議会、岡山建築士会災害対策委員会と立ち上げてどんどん繋がりを伸ばしていったそうです。

地域に入っての活動もあり、防災啓発活動なども積極的に行われていました。

また、ライフオーガナイザーとのコラボで防災についての知識も深めるなど、さまざまの視点での活動をして、地域の方々と繋がっていく様子が報告されていました。

繋がりを持つことで、防災意識も高まり、地域の力でできることが増えていくのだと分かりました。

今まで、災害が少ない地域に住んでいて防災に意識が向いていなかったのですが、できることから始めてみたいと思う活動報告でした。

P7146214.JPG
(↑岡山県からの報告)

 


基調講演 報告

報告者:髙野 栄子

 

今年度全建女は未来へつなぐ「まち・ひと・建築」~インクルーシブな社会を目指して~

というテーマで基調講演もバリヤフリーとユニバーサルデザインについてTOTO株式会社の方と日建設計の方のお話しを聴きました。

基調講演1 「一人でも多くの人に使いやすいパブリックトイレを目指して」

講師 真島香氏 TOTO株式会社 UD・プレゼンテーション推進部

 バリヤフリートイレについてオストメイトのかたは、使用時間が30分~40分かかるため皆さん多目的トイレを気兼ねして使用するとのことです。

またトランスジェンダーの方は外出先でトイレにストレスを感じることが多いそうです。

高齢者の介助者、障がい者の家族、乳幼児連れの親など多くの人が外出先でのトイレに困っているという現状で、出来るだけの問題解決のためのトイレを計画する必要があるそうです。

 

基調講演2 インクルーシブな社会を目指して-トイレから誰もが使いやすい建築を考える-

講師 株式会社日建設計 畑島 楓氏 

講師の方はセクシュアルマイノリティの当事者で、かつ設計者という立場でトイレを考えてみえました。

最近はマイノリティという言葉が浸透し、ごく普通になっています。

トイレという空間は排泄だけで無く多種多様なことを行う個室としての役割があり、ますます快適化がされている場所だと感じました。

オールジェンダートイレという考え方はとても大切です。が現実は中年男性が入ったすぐあとに若い女性が使うのはちょっと、とか若い女性がくつろいだすぐあとに男性が使うのもちょっと...といろいろな思いはあると思います。

 インクルーシブという言葉は大切で差別、排除はない方が良いと思います。が私は区別が必要な時もあるとは思っています。

 今回の講演はどちらも令和の時代らしく、新しいユニバーサルデザインについて考える良い機会になりました。


 


■交流会報告

                                  報告者:長瀬 八州余

交流会ではまず最初にワイバンワンの発表がなされました。

今年は宮城県、東京都、愛知県、和歌山県、愛媛県、沖縄県の6県の発表でした。

P7146218.JPG
宮城県 
記憶の中の住まい)



P7146222.JPG
東京都 
この期は委員の入れ替えが多く、今は委員同士の交流に力を入れています。)



P7146224.JPG
愛知県
すまいのえほんワークショップ(一般しみん市民向け・住育に関する活動)
 



P7146225.JPG
和歌山県
以前福井県の活動発表を見て、木育活動に活用できると思い、福井県に連絡をとりノウハウ等を教えていただき、和歌山県でも紀州材を使用した「木のカレンダー・時間割」の活動をしているとの事でした。活動が他県にも広がっている事に感動を覚えました。)

 


P7146227.JPG
愛媛県 
県内見学会「紙のまちの建物見学会in四国中央市川之江地区。
異業種交流会でランタン制作。
暮らし+(プラス)勉強会「春色春色トピアリー作りワークショップ」)




P7146228.JPG
(↑沖縄県 
「建築見学交流会 in KIHOUSE~名建築で朝食を~」
全国委員長会議での説明ではイメージできませんでしたが、映像があるとよくわかります。)

 


P7146231.JPG
(↑来年全建女開催の山形県の女性委員と交流)