令和5年度(2023)活動報告
第65回建築士会全国大会 しずおか大会 その2 セッション報告
日 時:令和5年10月27日(金)
会 場:静岡グランシップ
(静岡市駿河区東静岡2丁目3-1)
テーマ:歴史と文化の継承
~ローカルに生きる~
より高く、より深く、語り合おう これからのローカル
参加者:3名
10セッションが用意されました。
1 青年委員会セッション
地域実践活動発表
2 女性委員会セッション(長瀬参加)
思いっきりバージョンアップ!~女性も青年も参加したい「魅力ある建築士会」とは
3 街中(空き家))まちづくりセッション
ローカルに生きる
4 福祉まちづくりセッション(下川参加)
施設計画時の障害当事者参画について
5 防災まちづくりセッション
「浸水被害住宅の技術対策マニュアル」を考える
6 景観・歴史まちづくりセッション/第10回ヘリテージマネージャー大会(髙野参加)
地域を生かす景観・歴史まちづくり~静岡「らしさ」のまちづくり・その活動と展開~
7 木のまちづくりセッション
地域の森林・林業について建築士は何を学び、なにができるか
8 第17回木の建築賞
受賞作品の紹介と、大賞受賞者と選考委員が語る木の建築
9 環境部会セッション
ストック社会に寄り添う魅力ある建築とは~建築士SDGs行動宣言の実践について考える~
10 情報部会セッション
助成金(補助金)を活用して進めよう業務のIT化~利用可能な助成金(補助金)の種類や活用方法~
女性委員会セッションに参加して
報告者:長瀬 八州余
テーマ:思いっきりバージョンUP!
~女性も青年も参加したい「魅力ある建築士会」とは~
会場:グランシップ9階 910会議室
受付で受付をして、セッション資料集とみかんを2個いただきました。
(↑ 女性委員会セッション 受付の様子)
(↑ 受付でもらったセッション資料集とみかん2個)
本間連合会女性委員長の開会挨拶後、全建女石川大会の報告がありました。石川大会の参加者は、対面での参加者約310名、オンライン参加者約70名との事です。
石貫副委員長からアンケート結果の報告がありました。
(↑ 石貫副委員長の発表の様子)
全国約350名からのアンケートを集計してあります。
なんとなく士会の会員数が減っているなあという話は聞いていましたが、数字として目にすると大変な事になっていることを実感します。岐阜県は1,000名を切っています。20年前の人数の半分になっています。
パネリストの方は各ブロックから出てきていて、ブロック内での各県の取り組みを話されました。
近畿ブロックでは、単一県では難しい取り組みは、県で連系するとか、ブロックでの事業にしておこなっていると話されました。
中国四国ブロックの徳島県の取り組みとして、青年委員会から退いた後の受け皿がないので、参加自由で予算は付かないので、自分たちでどうにかしなくてはならないが、壮年部を作り、自由に活動をしてもらっている。その後はシニア部があり、シニア部は全員参加で、予算が付いていますとの説明でした。
北海道では、インスタを今年の6月から始めて、見学会の案内や活動報告などを発信しており、今は齋藤さんが一人でおこなっていると話されました。
各県、各ブロックでは委員の掘り起こし等をおこなっています。
愛知県から事例報告として杉原尚子さんが発表をされました。学生のうちから建築士会関係者と交流を持ってもらうように、学生会員は特別準会員として入会費、年会費は無料とか、ファミリー会員は家族だけだったが、会社が同じなら、家族以外でもファミリー会員とする等の改革をおこなっている。それと共に制度改革のお知らせリーフレットを作成して折に触れ配布しているということで、1部いただいてきました。
(↑ 愛知建築士会 杉原さんの発表の様子)
会場に愛知県の会長の濱田さんもこのセッションに参加してみえたので、発言をいただきました。学生に幅広い職種の選択がある事を知らせる必要があると思っており、そのためにも学生のうちからいろいろな機会を設ける活動の一つになればよいと思っていると発言されました。
(↑ 濱田会長の発言の様子)
士会の会員拡大は簡単な事ではないが、皆で知恵を寄せ合って進めていかなくてはならない問題だと再確認しました。
福祉まちづくりセッションに参加して
報告者:下川 滝美
テーマ:施設計画時の障害当事者参画について
会場:グランシップ9階 904会議室
10月27日 久しぶりに全国大会に参加をしました。
ずっとZOOMでの参加でしたが熱気のある会場の雰囲気に懐かしく思いました。
福祉まちづくりセッションの今年のテーマは「施設計画時の障害当事者参画について」でした。
事例発表として宮崎県では国体施設整備の3施設において障害者6団体に意見を聞いていること。
また建築士会は障害者当事者団体や行政との連携・協力をしており成果も見られると言う発表で建築士の役割の大きさを感じました。
兵庫県の「福祉まちづくりアドバイザー」はとても興味のある発表でした。
施設の点検、助言を障がい当時者や建築・福祉の専門家が行うものです。
このような制度があれば県内の施設も使いやすくなるのだろうと思うのですが、当事者の身体特性やその日の体調などもあり、まとめるのはなかなか難しいとのこと。
だれにでもやさしい施設というのはハードルが高いなと感じました。
京都府建築士会のハート&ハート研究会の三十三間堂のバリアフリー調査報告では、当事者と一緒観光地を回ることで気が付くことが多くあること。その気づきをどう発信していくかも課題だと思いました。
その他にも興味深い事例発表でした。
国土交通省による「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律及び国土交通省対応指針の改正について」の説明では建築士も設計等業として対象となるということです。
障害のある方からの設計依頼もあるかと思いますが差別的扱いに配慮していきたいと思います。
2時間という短い時間でしたが充実した時を過ごすことができました。
景観・歴史まちづくりセッションに参加して
報告者:髙野 栄子
景観・歴史まちづくりセッション/第10回全国ヘリテージマネージャー大会
テーマ 「地域を生かす景観・歴史まちづくり」
~静岡「らしさ」のまちづくり・その活動と展開~
会場:グランシップ 6階 交流ホール
今年度のセッションは景観と歴史まちづくり部会のセッションに参加しました。ヘリテージマネージャー大会も同時開催でした。このセッションは参加者多数で200名以上が参加しました。
事例発表は3件ありました。
1件目は、東海道の真ん中~中野町 景観保全と伊豆石の蔵再生の取り組みについて、中野町を考える会の堀内秀哲さんが発表されました。町家の景観が崩れ、まちの個性が失われて行くなかで、セピア色の写真を集め、「昔なつかしの写真展」を開催し、案内板を設置したそうです。また小学校の校外授業で「まち探検授業」を行われているようです。また町の中に伊豆石を使用した蔵が6棟現存し、その蔵の保存活用に取り組んでいるそうです。
2件目は、「明治時代の赤レンガ製茶工場遺構が解体の危機を超えて菊川ランドマークへ」として、NPO法人菊川まちいきの大橋隆夫さんが発表されました。土地区画整理によって解体予定だった赤レンガ倉庫の保存活動についてのお話でした。建物を保存活用するため、学術調査から国登録有形文化財への登録までいろいろな苦労や経験や、現在の活動と今後の展望をお話されました。
3件目は「まちなみと建物を住み継ぐ~清水区蒲原地区の東海道を活かした市民のまちづくり~」でした。NPO法人旧五十嵐邸を考える会理事長 片瀬信江さんがお話されました。片瀬さんは建築士では無いそうです。地元の普通の人が地元を愛し、地元をなんとかしようという思いでまちなみ保全の活動をされています。その中で大正時代の歯科医院の保全活用に取り組みこちらも国登録有形文化財に登録されています。
その後、このお三方と連合会のまちづくり委員の塩見さんのコーディネートでディスカッションが行われました。皆さんとても熱く活動を語らえ、こういった活動は「心」精神が大切なんだとつくづく思いました。静岡県はまちづくり先進県だと感じました。各地にまちづくり活動を進める団体がありネットワークづくりが進んでいるようです。岐阜県での今後の活動の参考になりました。