令和5年度(2023)活動報告
令和5年度 第32回全国女性建築士連絡協議会(石川)その4 エキスカーション報告
日時:令和5年7月29日(土)~30日(日)
会場:金沢市文化ホールとZOOM
石川県金沢市高岡町15-1
参加者:対面293名 リモート65名 合計358名
(岐阜県から 対面5名、リモート1名)
テーマ:「守り・育て・受け継がれる技術、手仕事」~伝統工芸と建築~
7月30日(二日目 午後)
【エキスカーション コース案内】
1コース 金沢表具体験(インテリアパネル作成)
2コース 加賀水引体験
3コース 加賀友禅体験
4コース 呈茶体験
5コース 石川県立図書館 見学ツアー
1~4コースは大体定員に収まったと言うことですが、5コースの「石川県立図書館 見学ツアー」は多くの参加希望があり、一台貸し切りバスを追加したとの事です。
■エクスカーション 1コース「金沢表具体験」の報告
報告者:桂川麻里
金沢市民芸術村内にある金沢職人大学校で金沢表具体験をしてきました。
その前にお昼ご飯を同じ敷地内にある「れんが亭」で頂きました。
赤レンガ造りのおしゃれな内外装でした。食事はイタリアンでデザートまでおいしく頂きました。その後ちょっと廻りを散策しました。大正時代っぽいなと近づいた建物は芸術村の事務局で「登録有形文化財」でした。もしかして先ほどのれんが亭もそうなのかと調べましたが、こちらは登録有形文化財ではありませんでしたが、大正から昭和初期にかけて建てられた紡績工場の倉庫群でした。すべて木造でれんが亭は向上時代の外壁はRC造だったそうです。ご興味のある方は下記URLをご参照ください。
https://www.artvillage.gr.jp/history/
ここから金沢表具体験についてです。まずは表具とは何かを説明して頂きました。「襖」、「掛軸」、「屏風」までは知っていましたが、「インテリア」で「クロス」、「クッションフロア」と言われて⁉となりました。が、昔の建物の壁紙は和紙だったなと思い出しました。現在主流ののビニールクロスは内装業者さんがほぼ施工しますが、難しい表装の仕上がりでクロスの柄合わせもして頂けたらきれいな仕上がりになりそうです。和室も洋室も一緒に施工して頂けるのは知りませんでした。
次は襖の貼りの順番を教えて頂きました。高級なものほど厚みが増すそうです。
その次は「金沢からかみ」について教えて頂きました。伝統文化がたくさん残る金沢ですが、町家などの襖紙はほとんどが京都や東京のものを使用しているそうです。それを残念に思った有志で「金沢からかみ研究会」を2011年に発足し工芸として「金沢からかみ」を継承していこうと始まったそうです。
次は表具体験です。案内にはインテリアパネル作成とあったので、襖紙を何かに貼って終わりだと思っていましたが、模様入れから行いました。襖紙と型紙が何種類かあってその中から自分の好きな紙色と型紙を選びました。インテリアパネルの大きさとなる段ボールの枠で位置を決めました。私は毬がはずむ感じを出したくて枠の左端に柄を置きました。顔料を型紙の上にたらしヘラで一気に模様の上に滑らします。角度、速度によってうまく型紙の中に顔料が入っていかないということでした。この作業は私はうまく一発で出来ました。乾くのを待つ間、金箔が登場しました。これは余っていないと使えないということで毬がはずむ感じが出るように使用させて頂きました。下張りをした板が用意されておりそこに襖紙を貼付け作業に入ります。が、ここで電車の時間が間に合わない方達がいてタクシーの手配もあるため、第一陣、第二陣、第三陣と先に貼付け作業を行い、自家用車の私は最後に貼付け作業をすることになりました。賑やかだった工房内は2人の講師と私の3人になり一気に静かになりちょっと寂しくなりましたが、どんなことが出来るのか等ゆっくりお話を聞くことが出来ました。とても良い経験が出来、またとても楽しく過ごすことが出来ました。
■エキスカーション 2コース 加賀水引体験に参加して
報告者:長瀬 八州余
金沢市文化ホールに集合して、徒歩にて会場の蒼風庵へ移動します。
今回の参加者は13名です。新潟から参加の方は、娘さんと二人での参加していました。
仲良く二人で協力して作品を作っていました。
講師の先生は小学校等へ出張授業をして、水引の魅力を広める活動もしているということでした。
いろいろな色の水引から自分の好きな色を3色選んで、2色で三つ編みを2本作り、残りの1色で花を大、中、小、極小と4タイプ作り、飾り羽を選んで、それらを合わせて、リースを作ります。合わせて形を整えるのは先生がして下さいます。
先生の他にスタッフさんが1名参加で教えて下さるので、わからない事を聞き、おかしな所は直して下さいました。
花は先生と一緒に説明通り水引を動かして、その時は出来ましたが、一人で出来る気がしません。
参加者各々素敵はリースができあがりました。
その後、今回の会場の見学をおこないました。
会場の蒼風庵は築90年になる金澤町家で「優良金澤町家」の認定を受けている、一棟貸切の宿泊施設です。間取りや柱などはほぼ当時のまま、木製の建具や室内の調度品など、当時のものがよく残っています。檜の香る五右衛門風呂や苔と竹の中庭など、町中にあるとは思えない静かな環境です。オーナーさんも関係者として参加してくださり、建物の説明をして下さいました。改築の担当をしてくださった設計士さんは女性の方との説明を受けました。
帰りは金沢市文化ホールへ戻って解散という案内になっていましたが、私は、体験後、直接近くのバス停から金沢駅に向かうということにしたので、荷物を持っての移動となりました。案内役の石川県女性委員さんが一部荷物を持ってくださいました。重たいのに本当にありがとうございました。助かりました。
(↑ 沢山の水引の中から自分の好きな色の水引を選びます。)
(↑ 中央の白黒のワンピースの女性が講師の先生です。)
(↑ 三色の水引を選びます。ピンク系の二色を三つ編みします。)
(↑ 作業の様子)
(↑ 大、中、小、極小の4タイプの花びらとまとめる金物)
(↑ 先生にきれいにまとめていただきました。)
(↑ 建物の表札)
(↑ 左の方がオーナーさんで、説明を受けています。)
(↑ 「優良金澤町家」で有るという印)
(↑ 五右衛門風呂、風呂からお庭を眺める事ができます。)
(↑ 2階から1階庭を見下ろす。)
(↑ 2階の寝室)
■エスカレーション5コース
石川県立図書館 見学ツアー
報告者:田口 里恵
昨年令和4年7月に開館した石川県立図書館に見学に行って来ました。今までの図書館とは全く違う室内の公園のような、目的がなくてもブラっと遊びに行け、のんびり過ごすことが出来る場所で、実際3時間半見学でしたが、本を読むでもなくフラフラしてましたが、あっという間に時間が過ぎたような凄くゆっくり過ごせた気分なりました。
日曜日ともあって、こどもエリアはアスレチックで遊んでいたり飛び回っわっていたり凄く騒がしいのですが、図書エリアには全く聞こえなく子供の姿すら見る事もなく居る事が出来本当に自分の好きな様に過ごす事が出来る場所だと思いました。
こんな場所が近くにあったらいつも行きたい、絶対行くと思います。
(↑ 石川県立図書館内での建物の説明の様子)
(↑ 平面図ではイメージが伝わらない為このようなイメージ図を作成されたそうです。)
(↑ 大円形閲覧空間吹抜けを多くの書架が取り囲む円形劇場のような大閲覧空間)
(↑ 本の表紙を面を見せる並べ方で館内をめぐり歩きながらウィンドショッピングのように、思いもよらないほんとの出会いを楽しむことができる。)
(↑ 伝統工芸の活用 屋内広場の壁面は、本県を代表する名匠達の作品を展示。ユネスコの無形文化遺産に登録された「縁付金箔」が彩りを添える。)
(↑ 閲覧エリア メインストーリトの外構は、図書分類に本が並ぶ)
(↑ 3階中央のこのブリッジからは全体を360度見渡すことができる。
図書や雑誌椅子を配置しダイナミックな吹抜け空間を眺めながらゆっくりと過ごせる特別な読書)
(↑ 1周約160mの回廊式の閲覧空間。大円形閲覧空間を一望できる絶好のピューポイント本屋図書館の魅力を感じることが出来る空間)
(↑ 1階こどもエリア 現図書館の約5倍のペースを確保乳幼児から小学校低学年~高学年までのスペースを緩やかにゾーン分け)
(↑ 外壁パネルとガラスとが交互に折り重なる形で『本のページをめくる』というイメーを表現)