令和5年度(2023)活動報告
令和5年度 第32回全国女性建築士連絡協議会(石川)その2 被災地報告、活動報告、基調講演、交流会
日時:令和5年7月29日(土)~30日(日)
会場:金沢市文化ホールとZOOM
石川県金沢市高岡町15-1
参加者:対面293名 リモート65名 合計358名
(岐阜県から 対面5名、リモート1名)
テーマ:「守り・育て・受け継がれる技術、手仕事」~伝統工芸と建築~
■被災地報告
報告者 田口 里恵
今年度は、青森県、岩手県、宮城県、福島県の4県が三陸復興道路が全線開通したことから青森県三沢市からスタートし、岩手県~宮城県~福島県へとドラレコでリレー撮影するという新しい形の報告を映像を観ながら聞かせて頂きました。
青森県は本州最北端の犠牲者が出た記念碑のある三沢市からスタートし防波堤が出来景観が変わった復興支援道路八戸市へと工業地帯も平穏に活動し朝一も開催され陸上町へと報告を聞かせて頂き被災当時からの景観もすっかり変わりしっかり復旧活動がなされている事がわかりました。
岩手県へバトンタッチし久慈道の駅のオープン内陸を海岸とを繋ぐ宮古盛岡横断道路東北横断自動車釜石秋田線の開通により峠ではない安全な道路によって結ばれ移動距離が短縮され道路が海岸に住む方々の安心な暮らしが守られるようになっていき、どんどん街も発展していくと思います。
宮城県の気仙沼から走行し一般道へ走行し大谷海岸へ道の駅・南三陸さんさん商店街から復興道路に戻り仙台東インターから福島の手前まで想定最大10mの津波浸水エリア
を走行その為復興道路は盛土をして津波避難階段が設置されて道路に避難できるように造られているそうです。
福島県は相馬市尾浜こども公園から走行し東北中央自動車道常盤双葉で降り走行するとソーラーパネルがみられ、ソーラパネルが設置されている場所があちこちにあるそうです。復興の願いをこめて建物に似顔絵が書かれてますが、そのままで残されているそうですが諦めないでほしいです。
三陸復興道路のドラレコ映像は現在東北の復興の状況がよくわかり感動しながら被災当時のテレビでみた酷い状態が思い浮かんでジンときました。最近震災のことを聞く事がほとんどなくなりましたので、これからも続けてほしいです。
■活動報告「静岡県における木造住宅の耐震化の取組」の報告
報告者:桂川麻里
静岡県くらし・環境部建築安全推進課 建築耐震班長 市川府元 氏による「静岡県における木造住宅耐震化の取組」についてお話頂きました。
静岡県では阪神淡路大震災からではなく、昭和51年に東海地震説が発表されてから地震対策に取り組んできたということでした。
無料の耐震診断があるということを知らない方達がいますが、一般の方に向けてYouTubeで見られる『うちは「耐震家族」』住宅耐震編にて耐震補強の重要性をPRしたりしています。
https://www.youtube.com/watch?v=7bHPfXj0Mvw
耐震補強の補助事業の内容も、補助額は高齢者のみ世帯には割増があったり、コロナの時期には避難所での三密対策として在宅避難生活が送れるように高い耐震性を確保する耐震改修に関しては更に補助金割増としたり、対応の早さに驚きでした。
岐阜県よりも耐震補強率は高いなとは思いましたが、それでも耐震化率89.3%だそうです。
その為の普及・啓発への取組として、耐震補強をした高齢者の事例を紹介したりしているそうです。
実際に耐震改修に「踏み切った」という言葉に自分だけじゃなく人様に迷惑をかけないようにという思いが読み取れました。
20年以上続けてきた静岡県独自の補助制度は令和7年までとなるということで、大地震への対策をやり切るという覚悟で取り組んでいるそうです。
一般の方達への周知が一番難しいですが、一番大切なことだと思いました。
写真の説明
(↑ 市川府本氏)
(↑ 『うちは「耐震家族」』)
■基調講演『石川らしい文化でおもてなし』に参加して
報告者 伊藤 麻子
テーマ:北陸新幹線金沢駅舎は伝統工芸による「美術館のような金沢駅」
講 師:金沢学院大学 名誉教授 大場 吉美 氏
石川県を中心に世界中で空間デザイン、イベント計画演出を手がけ、デザイン教育にも深く携わっている講師は、金沢市民芸術村創立にも尽力されており、活動を通じてものづくりや伝統工芸のあり方と、金沢駅のデザインについてお話いただきました。
江戸時代、加賀前田藩は工芸を奨励しており、それが現代でも根付いて文化風土となっている。
石川には36品目の伝統的地場産業があり、全国的にも多い。都市戦略として工芸による個性豊かな魅力づくりに貢献可能とのことでした。
その36品目の中には輪島塗、加賀友禅、九谷焼はもちろんのこと、獅子頭、加賀毛針、美川仏壇と、あまり私にはなじみのないものまであります。
これらが地元の人々の努力と理解によって、今以て健在であることは誠に素晴らしいことです。
さて、金沢駅ですが、新幹線中2階待合室に30品目236作品を同じ大きさで展示してあります。
色彩を含めた視覚効果を現地でも検証し続けて完成された事を聞きました。その他、もてなしドームの連続デザインに注力したコンコースの柱24箇所も紹介されました。
最後に、金沢市が世界のデザイン都市として、多様に柔らかく変容していく交流の役割を担い続ける事を期待すると結ばれました。
(↑ 基調講演の様子)
■交流会報告
報告者:長瀬 八州余
17:15から交流会が行われ、女性委員会担当副会長の秋田県の淡路会長が挨拶をなさいました。
先の被災地報告について、東北4県がリレーで映像を撮り発表をすることは凄いと感心をしてお話をなさいました。
(↑ 淡路副会長の挨拶の様子)
ワンバイワンでは、山形県、埼玉県、福井県、滋賀県、島根県、宮崎県が発表されました。
山形県
9支部あり、銀山温泉の見学会の話をされました。
(↑ 山形県の写真)
埼玉県
川越空き家リノベーション見学会と深谷市の新旧建物をめぐるバスツアーの話をされました。
福井県
木の時間割表の作成の話をされました。
(↑ 福井県の写真)
滋賀県
女性委員会が主催する事業DoシリーズのNo.84とNo.85の話をされました。
(↑ 滋賀県の写真)
島根県
女性委員会が30周年で、一般の人を対象に「みんなの建築展-あなたの知らない女性建築士の世界」を開催。来場者120名との話をされました。
(↑ 島根県の写真)
宮崎県
懇親会の話をされました。
(↑ 宮崎県の写真)
今年度、はじめて県の建築士会の会長に女性が就任されました。
それも島根県と兵庫県に2県同時にです。
今回島根県の坪倉菜水さんが参加されており、挨拶をされました。
(↑ 島根県建築士会 坪倉会長 挨拶の様子)