2023年度
2023年度 ぎふ木造塾 見学会
かしも明治座・木材製材所建築見学ツアー
開催日時:2023年8月25日(金)8:00~18:30
開催場所:(協)東濃地域木材流通センター(キーポイント)⇒くりくりの里⇒福岡小学校⇒
かしも明治座⇒(株)梅田製材所⇒(株)山共
参加者 :21名(うち学生10名)
参加者全員で集合撮影(中央左:鈴木理事長、中央右:石黒会長)
令和5年度ぎふ木造塾の見学会は、東白川周辺の「山から建築まで」を見学体感するコンセプトのもと開催させて頂きました。夏休みの宿題やクラブ活動などの合間を縫って参加いただきます学生さんへ有意義な見学会となることを望みながら準備いたしました。
木材産業・文化は、河川流域で生まれ成長してきた実態を学ぶことができました。落合川・付知川・木曽川、大きな三川上流周辺領域で伐採された木材を、その三川で下流へ運び製材して、その場もしくは更に下流へ流して運び建築へ形を変えていく様を勉強出来ました。
先代が植林してから50年ひたすら育て上げ、やっとの思いで利用価値が発言する木材ですから、使う側としては、「木に(山に)喜んでもらう使い方」「木を最大限の価値感で使うこと」を設計で恩返しするべきと改めて感じました。
岐阜県建築士会 いつもにこやか キーポイント 鈴木理事長よりご説明
石黒時紀会長挨拶のち キーポイントさん 営業 小椋様には全工程にお付き合い
ぎふ木造塾瀧本挨拶 頂きました
岐阜駅より出発。バスの中では到着までの時間を有効に、岐阜県建築士会の活動紹介をしたり、参加者にアンケートをとって質問などをかいてもらいました。
恵那市にあるキーポイントさんには「東濃ひのき」の大径ものや、本当に見事に「無節」で色艶のきれいな、地域の「木財」が所狭しと積上げられていました。他の地域からも木材が流通(川中)して来ていることに驚きました。
北方へ移動の途中にある くりくりの里 でお昼をみんなで一緒にとりました。建築士と学生さんとが同じテーブルで質問しあって、とても和気あいあいと楽しい昼食でした。
中津川市福岡の福岡小学校さんに開校直前のタイミングで見学ができました。空気感がRC造と違って、活き活きと学べる感覚で気持ちのいい学校で、羨ましかったです。
中津川市職員様よりご説明 木質感ある教室を見学
エントランスすぐの丸太そのまま建ったホール 木材マリオン・無目
視線を止める・魅せる木材の使い方 気持ちいい大階段で集合してパシャリ
さらにバスで北上、中津川市加子母にある かしも明治座さんへ。130年の歴史。さきほどの福岡小学校は、できたてほやほや。新旧の建築(川下)を一度に味わいました。樹齢400年・長さ8間もある巨大は梁材を100人がかりで切り出してきたとか、地元の有志らの出資によって成り立っているとか、奥深さを感じました。楽屋も舞台装置も奈落も見れて、役者気分も味わえて満足でした。
2階席も含めて400人が観に来たそうです 木材を木目なりに割いて凹凸を活かした水対策
2階席きもちい~ ここが一番高価な席です 高名な歌舞伎役者がここで!どこもかしこも木
回転舞台装置 束の修復姿は大工の腕のすばらしさ 胡蝶と炭次郎
西へ方向転換して、製材所(川上)めぐりです。梅田社長にご案内頂きました。梅田製材所さんは、中津川加子母にあり地元のひのきを出来る限り価値ある長尺の姿に製材されていました。いい香りでした。
更に西へ数分、東白川村にある山共さんです。田口社長曰く、付知川流域には、スギの製材所が無かったことから差別化を図る上でスギを取り扱うようになったそうです。
梅田社長のヒノキへの情熱を聞きました 使ってちょうだいと皮むきされて待っています
田口社長には受け継がれてきた山を大切にする心を スギは比較的大きく成長しますが、
使う側にも持ってもらいたいとお話頂きました その価値を見出すのは、職人の勘しだい
さて移動中にバスの中では、アンケートにお応えするやりとりが続いております。ご参加いただいた学生さんから、ご参加いただいた建築士さんへ、「就職」を目前にして「今」をどう過ごせばいいのか、何をしておくべきか、何を見ておくべきか、何を読み込んでおくべきか、勉強するべきか、建築士以外の資格は?、設計業務とは?、街づくりに携わるには?、施工とは?など、建築家の内田さんと棟梁の村瀬さんの無茶振りも交えたエスコートで(笑)盛り上がりました。社会に出ることに非常に真剣に捉えていることが、当時の自分と比較してみると頼もしく感じた時間でした。そんな学生さんに感化されました。私もまだまだこれから、がんばろう。
川上~川中~川下と一気通貫のツアー、とても楽しみながら勉強させていただきました。ご参加頂きました方々、ご協力くださいました方々、一丸となって運営して頂きました木造塾の方々、ありがとうございました。
来年は、郡上方面を予定しております。また楽しく「木造ならではの魅力」に迫りましょう。
今後とも宜しくお願い致します。
ぎふ木造塾部会員一同