2022年度
2022年度 ぎふ木造塾 見学会
大阪木材仲買会館・ラ コリーナ近江八幡建築見学ツアー
開催日時:2023年3月23日(木) 7:30~18:45
開催場所:(建物見学) 大阪木材仲買会館・ラ コリーナ近江八幡
参加者 :47名(一般8名・学生33名・その他6名)
法被を着てお出迎え ぎふ木造塾部会 瀧本部会長挨拶
今年度、ぎふ木造塾の建物見学は、大阪木材仲買会館・ラ コリーナ近江八幡の見学会を開催させて頂きました。今回、多くの学生の方々から参加申込もあり、学生の方々に有意義な見学会になるように、いろいろ委員会でも検討しました。
大阪木材仲買会館 外観 竹中工務店 白波様から建物説明
建物見学の際、設計担当された竹中工務店から白波様が来て下さり、前半は建物概要・意匠や構造設計のポイントなど、分かりやすく講義して頂きました。
見学の様子 見学の様子
後半は、実際に建物の部屋を一つ一つ丁寧に説明頂き、その際には学生からも積極的に質問が出ていました。建物が竣工してから10年経ち、構造と意匠から更に木材の暖かさが感じられる空間でした。地域の風景として、既存の大きな桜の木を残しながら、昔ながらの街並みと内観外観や建具・庇などから木材会館としての建物デザインを学ぶことができました。
石黒会長挨拶 昼食の様子
昼食の時間には、建築士会石黒会長から挨拶と学生の皆様に建築士会の説明を頂きました。また、昼食の座席も、建築士の皆様に学生の間に入って頂き、仕事の内容や質問などのフリートーク時間を設け、学生参加者の方々に、今後の進路の参考になるような時間を計画しました。
参加者皆様での記念撮影 見学会の様子
午後からは、ラ コリーナ近江八幡の見学です。建物見学前には、以前に建築士会青年委員会企画の文化講演会にて講演頂いた藤森氏の講義映像を見て頂いてから、建物見学をしました。建物前にて、今回ご参加頂きました皆様と記念撮影もしました。特徴的な建物は、意匠だけでなく、遊び心のたくさんある建具・家具だけでなく、ランドスケープデザインも含め、見所満載の建物で時間が足りないくらいでした。
ぎふ木造塾部会 村瀬顧問による ぎふ木造塾部会 瀧本部会長からお礼の挨拶
アンケート紹介タイム
帰りのバスでは、村瀬顧問司会で、移動中のバスで学生の方々に書いて頂いたアンケートや質問を基に、「直接建築士に聞いてみよう」タイムを設けました。具体的には、興味のある建物や好きな建築家、将来の夢、将来の職業について、建築士の仕事内容、今のうちにしておいた方が良い事、資格と試験、大変な事、独立、建築士になって良かった事、今回の建物見学の感想など、学生の方から多くの質問を頂き、それを答える時間を設けました。参加頂いた学生の方々の今後の進路・夢の参考になればと思います。今回頂きましたアンケートを基に、次年度の講義の参考にさせて頂きます。
2023年度も瀧本部会長を中心に活発に委員会活動を行い、一人でも多くの方々に、楽しめる学べる参加したくなる事業を計画しますので、皆様、今後ともよろしくお願いします。
2022年度 ぎふ木造塾 第2回講義
開催日時:2023年1月28日(土)14:00~17:00
開催場所:(講義)各務原産業文化センター
(建物見学)KAGAMIHARA PARK BRIDGE
参加者数:35名(一般18名・学生5名・その他12名)
講 師:岐阜県林政部県産材流通課 中島様
講義内容:非住宅建築物の木造化について
講 師:建築家 井端菜美様/建築家 河合啓吾様
講義内容:木造でつくるということ
会長挨拶 講義会場 前景
今年度、ぎふ木造塾の第2回の講義は、講義と建物見学を同時開催させて頂きました。まず、建築士会会長からご挨拶と建築士会の活動内容の紹介がありました。会場の様子です。今回も多くの人に、ご参加頂きありがとうございました。
岐阜県林政部県産材流通課 中島様 建築家 河合啓吾様(左)/建築家 井端菜美様(右)
講義の前半は、岐阜県林政部県産材流通課中島様より、非住宅建築物の木造化についてご講義頂きました。木造利用促進法改正の背景、その改正法の内容の説明を聞きました。その後、岐阜県が取り組む森林づくり基本計画や県産材の利用状況、木造化率、県産材利用促進条例の説明がありました。続いて、県産材利用フォーラム、木の文化フォーラム、相談体制の整備、人材育成、普及啓発(ぎふ木造建築ポータル)、住宅の支援策など、多くの情報と今後の展望を学びました。
講義の後半は、建築家 井端菜美様、建築家 河合啓吾様より、「木造でつくるということ」と題し、お二人の設計活動、考え方をご講義頂きました。お二方は、住宅などを設計する時はそれぞれ個別でも活動され、公共など場合によっては、協働で設計活動をされています。井端様からは、飛騨五木グループ「飛騨の匠」、自然資本を活かした7つの事業、住宅作品「川と家」から、住みながら空間を変え、生活に合わせて家をアップデートし、変わっていくものと変わらないものの話をお聞きしました。河合様からは、SLBH(Super Low-cost Big House)シリーズの中から、SLBH1、SLBH4、SLBH6をピックアップし、ぶれない骨格(設計のルール)、構造の可視化、建築のコスト等のお話をお聞きしました。そして、協働設計の「森のわくわく庭(2題)」の説明があり、その後、各務原市との官民連携事業としてプロジェクトが発展した「KAGAMIHARA PARK BRIDGE」のお話を聞きました。
外観見学 内観見学
建物は、2つの公園の間の架け橋となる施設として開放的な木造軸組みによるシンプルな構成で、並木道や公園と溶け込むように計画されていました。住宅のお話でもありました、構造の可視化がそのままスケールアップし、子供たちの楽しいふれあいの場に相応しい、あたたかな空間が構成されていました。実際、閉館ぎりぎりまで、多くの子供達が楽しくすごしていました。
講師による建物説明+質問タイム 委員長挨拶
今回は、講義を聞いてからそのまま建物見学をするという形をとり、とても分かりやすく座学で得た内容がそのまま体験できるというとても楽しい講義でした。
3月にも大阪への建物見学を予定していますので、皆様、今後ともよろしくお願いします。
2022年度 ぎふ木造塾 第1回講義
開催日時:2022年12月17日(水) 13:30~16:30
開催場所:ヤマガタヤ産業 板蔵ファクトリー
参 加 者:50名(一般34名・学生2名・その他14名)
講 師:建築家 安井昇氏
講義内容:木材の燃え方を知って火事に負けない木造をつくる
会長挨拶
今年度、ぎふ木造塾第1回の講義は、建築家 安井昇氏 に講義「木材の燃え方を知って火事に負けない木造をつくる」と題し、河原講義(青空講義)+会場で講義を開催しました。当日は、小雨が降る中、ヤマガタヤ産業様にも会場の設営から駐車場係と大変お世話になりました。ありがとうございました。
前半の河原講義(青空講義)では、実際に木材の燃え方を2つ体験しました。一つ目は、「どちらが熱い?」と題し、①針葉樹木板t12とガルバリウム鋼板、②針葉樹木板t12と構造面材(ダイライト)、③針葉樹木板t12と不燃プラスターボードと、裏からガスバーナーで加熱し、その熱の伝わり方・燃え方等、比較実験しました。これは、実際の火災が起こった時に隣の部屋から熱や火どのように伝わるかを体験する実験です。熱伝導率(=熱の伝わりやすさ)を体験することを目的に行い、参加者の方々にその体験をして頂きました。特に学生の方は、実際の木材の熱に対する伝わりを体験できたと思います。
赤い服が安井先生
どっちが熱い?熱伝導率の体験① どっちが熱い?熱伝導率の体験②
次に、焼杉体験をしました。建築の外壁材に使用される杉板t15を三角に合わせ、点火し火が上昇していく過程で、焼杉ができました。実際に外壁材に使用する際は、表面に研磨します。焼杉は、表面を炭化させた仕上材で、表面の炭化層が、板の対候性・耐久性を向上させます。
焼杉実験① 焼杉実験②
後半は、木材の防耐火設計と題し、近年の建築火災の状況からわかるこれからの火災に対する防火設計のお話を聞きました。近年、いろいろな研究がなされ、また建物の木造化の流れから防火の法律が見直されつつあります。安井先生は、設計者でもありますが、研究でもご活躍されており、大規模な火災実験映像や法律の緩和の流れなど、最新の技術・情報も交えての講義をして頂きました。木造塾には、たいへんお世話になっている先生で、今回もありがとうございました。
講義風景
今回は、会場が「ヤマガタヤ産業 板蔵ファクトリー」という事もあり、前半と後半の講義の間に、ヤマガタヤ産業の社員の方から、木材のテーブルや家具の実物説明を受ける時間もありました。普段は座学講義の木造塾ですが、今回は講義以外での体験型の講義となり、とても充実した講義でした。安井先生、ヤマガタヤ産業の皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。
木造塾部会長挨拶
年明けにも、木造塾の講義を予定していますので、皆様、今後ともよろしくお願いします。