2021年度
2021年度 ぎふ木造塾 第2回講義
開催日時:2021年11月3日(水) 13:30~16:30
開催場所:ハートフルスクエアーG 中研修室
参加者数:62名 会場参加14名 WEB参加48名(一般47名・学生15名)
講 師:建築家 内藤廣氏
講義内容:なぜ木造なのか
今年度、ぎふ木造塾の第2回講義は、建築家 内藤 廣氏に講義「なぜ木造なのか」と題し、会場+ZOOM併用での講義を開催しました。内藤先生の木造作品は、気候や風土地元を生かし、木造を適材適所に建築に使用することで、単一な木造でなく「木造+S造」「木造+RC造」のハイブリットな使い方、県産材も含め、内部空間にも多く使用されます。その中で、前半は、内藤先生の木造作品「海の博物館」「安曇野ちひろ美術館」「牧野富太郎記念館」「倫理研究所 富士高原研修所」「高知駅」「虎屋京都店」「福井県年縞博物館」を実例し、作品ごとに解説して頂きました。特に、「海の博物館」「安曇野ちひろ美術館」は、講義前に木造塾のメンバーで実際に建物見学に行きましたので、より理解度が増しました。(その見学会の様子は、YOUTUBEチャンネル「ぎふ木造塾」でも、配信していますので、よろしくお願いします。)
木造は、使い方によっては危険な場合もあり、親和性もあり、まだ解明されていない部分が多くあり、育った地域で性質・色など変わる。木材を通して、人と人とのコミュニティや新しい価値観があり、いろいろな考えがあって集まると全体が締まり、木造建築には多くの可能性がある。 木造を通じて、山(環境、自然)・林業(産業)・技術(大工、木工)・必然性(設計、敷地)文化(暮らし、地域)のお話も聞きました。木造の面白いところは、多矛盾型にあり、矛盾に満ちた木造の複雑さ、矛盾があるからこそ、最先端の技術でも十分に解明できていない新たな可能性があること等、様々な角度から先生の話を通じて教えて頂き、とても密度の濃い講義となりました。本当にありがとうございました。
2021年度 ぎふ木造塾 第1回講義
開催日時:2021年10月2日(土) 13:30~16:30
開催場所:ワークプラザぎふ 4F 大会議室
参加者数:55名 会場参加16名 WEB参加39名(一般19名・学生20名)
講 師:桜設計集団一級建築士事務所 代表 安井昇氏
講義内容:木材を見せながら火事に負けない木造建築物をつくる
安井先生の講義は何時も分かり易くて、実験映像をみながらの講義であるので頭にスッと
入ってきます。今回も木は燃えても良いという観点から、昔から火をコントロールする
事をしていた。ウダツの防火壁・ベランダ等の避難経路確保・京都の町屋(防火区画)
火事が起こった時に燃え抜けないようにする事が大切、火が拡大する際のエネルギー材料
を絶てば、いずれは自然に火は沈下していく いわば当然ながら、その理由を深くとらえる
事は忘れてしまっている。なぜ?建築基準法という法律に照らし合わせて木造準耐火
外壁耐火(ロ)外部PB強化石膏ボード貼りサイディングボード内部はPB15+PB12mm
内側を仕上げるというように直ぐに基準法で仕上げをあてはめて設計してしまう。
火が廻る方向・窓の位置・天井高さをもっと考えて設計すべきである事を先生は、いかにも
簡単にといてくれた。そこには木材の特性である燃えて当然であるなぜ悪い?燃えても
安全にコントロールできて火が広がる事を抑制し、避難できればよいのではないか?
仮に鉄で内壁をつくったら燃えないが、素手でさわる事ができない。しかしながら木材
で造れば、燃え抜けない限り素手で簡単にふれる事ができる。
実験映像を通して説明していただけた事は、今後の木造耐火建築物を設計するにあ
たりとても役立ち新たに発見した感覚であった。
木は水分を持ち、表面は確かに燃えるが、炭素化して熱エネルギーが減少していく
燃え広がる事を押さえ、消防がかけつけるまでに安全に避難する事ができれば、安全な建物
であると考える。今後の設計におおいに利用したい点である。
とかく木造は燃えるから火に弱い建築であると思われている。本当は、そうではない
如何に火が燃え抜けないようにするのか、出火の際にはいち早く外へ避難するのかをこれ
からも追及していきたいと考えさせられる講義であった。
この木造塾に将来に亘りお呼びしたい先生の一人である事は間違いない
以上