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2011年度

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第4回講義を終えて

 

  

 

テーマ:第1講「小さな心地よい居場所に惹かれて」

    第2講「プレタポルテの家づくり」(標準化された設計を生かした家づくり)

講 師:建築家・伊礼智(伊礼智設計室 代表取締役

 

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                (伊礼 智氏)

 

今回の講師:伊礼智先生は、小さな空間の中で「心豊かに」「居心地良く」を重視し、

設計されています。

今回の講義の中で伊礼先生の住宅設計作法を教えていただいたと思います。

 

第1講「小さな心地よい居場所に惹かれて」では「いいな~。」と思ったのなら、

そこから先をどう考えるかを教えて頂き、色々な可能性を探る事を説明して頂きました。

設計での空間づくりに大切な事は、設計条件・情報をいかに整理するかがポイントとなり、

設計業務とは、整理する役割だと言う事も知りました。

 

小さく住む事は必然的に無駄を無くした空間となり、小さな面積の建物でも必要な空間を

まとめる事が可能であり、必要で有れば小さい空間を繋げ、大きな建物も作る事か出来る。また、空間の中で「暗い所から明るい所」、「狭い所から広い所」、「低い所から高い所」と

変化を付ける事により、空間バリエーションが増え豊かな気持ちになる事を知りました。

そして小さい住宅は、心地良い小さな居場所の集合体であると教わりました。

 

第2講「プレタポルテの家づくり」(標準化された設計を生かした家づくり)では

OMソーラーによる区画の売り建て住宅の設計に携わった際に、施工者の皆さんと考えだされた、「標準化」についてお話を頂きました。

 

質を落とさず、コストダウンを実現するには「標準化」が必要と考えられ、

無駄を省く事、仕事のスピードアップしていく事、特注品ではなくプレタポルテ(既製品)の家づくりとして取り組みをなされたようです。

標準化とは、設計や仕事の仕方を「改善」していく行為であり、

完成度が高く、アベレージの高い仕事をする手段と言う事が分かりました。

 

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                 (受講風景)

 

今回の講義を受講し、住宅空間は心地良い空間で有り、設計者も空間づくりが楽しく、

そして住まい手が楽しんで生活できる空間だと言う事を教えていただきました。

 

 

 <受講生の声>

・先生のお話しにあったように、見て気持ちのよい建築について、理由を深く考えるクセをつけるようにします。長時間に渡り中身の濃いお話、ありがとうございました。

・「森を守る」を理念の一つとして県産材を使った木の家をつくっている工務店です。今日は、お忙しい時間を頂きありがとうございました。

 地域工務店が生き残るためにはポリシーをもった設計をすることが必要だと思います。今日のお話はそのヒントがたくさんこぼれており、大変参考になりました。ありがとうございました。

・ありがとうございました。標準化のイメージが変わりました。

・標準化することは、設計士として退化と考える部分がありましたが、少し考えがかわりました。

・標準化の一番の障害は、設計者の考え方であるという点については、自分も標準化を進める上で最も難しい点として認識していました。標準を改善していくという考え方が明快で理解が得やすい説明だと感じました。

・伊礼流の設計の標準化及び取組みが良くわかった。

・数値で表すことが出来る住宅の性能を、大きく表に出さずにきちんと確保しておいて、住宅を「居心地のいい、小さな場所の集合体」と捉えることが、とても新鮮で印象に残りました。

 
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