2011年度
第1回講義を終えて
三浦祐成先生
第1回木造塾
新建新聞社取締役兼住まいと暮らしの局長
「新建ハウジング」前編集長 三浦祐成氏
『これからの木の家、これからのつくり手
~今こそ求められる志とビジョン~』
東日本大震災の後、住宅のつくり手を5つのショックが襲った。
①資材ショック ②原発・電力ショック ③地盤ショック ④マインドショック
⑤経営ショック
価値観が変わり、住宅のニーズが変わった。
「わかっているけど仕方ない」という住宅づくりはもうやめよう。
「知りながら、害をなすな」ということである。
今、つくり手に必要なことは、
①ポリシー・志を貫く ②プロフェッショナルになる ③シンプルにする
であり、消費電力を今の半分(1985年レベル)にするため、時代は「パッシブ」となりつつある。デフレにより30~34歳世帯の年所得は10年前より100万円少なくなり、35歳1万人のアンケートでは、年収600万円台以下が4分の3を占める。日本の住宅貧乏から脱するため、「4分の3層」にいかに何をどう提案するかである。30代以下の価値観が変わり、「スモール・イズ・ビューティフル」「小さな幸せを積み重ねていく、足るを知る生き方」ということになり、つくり手も、脱「注文住宅」、脱「新築住宅」のときである。
これからの工務店は、価値観、理念を持ち、夢、理想、ビジョンを掲げ、家づくりポリシーを定め、マーケティングの呪文(誰に、何を、どうやって)を常に唱え、コンセプトを明確化させる。そして、スタイルの標準化を確立させ、
「コンセプトハウス」「プロダクトハウス」の創造と、「スタイル」から「ブランド」へ、コトを強烈に表現するモノで差別化を図る。
(受講生の感想)
1.今回からの参加ですが、世界が狭くなりがちな私のような個人事務所(兼大工)は、
このような講習は非常にありがたいです。
特に今回のような、コンサルタント的な切り口での情報は参考になります。
2.工務店として、この先どうするべきか?
少し見えた気がします。
木造建築をベースとしてのコンサルのような講議(原文)。
聞いていておもしろかったです。
3.想像していた内容とは多少違いがありましたが、
漠然としていても重要な内容の話も、具体的な例を含めた説明で
理解しやすかったです。
4.住宅を建てた人の話をもとに、今の建て主はどのような考えをもち。
どのような家を求めているかを、少しわかる事ができた。
P.S パワーポイントのパソコンの資料と手元に配られた資料とが
くいちがうために、どの部分を話しているのかを、探すのに少々苦労しました。
5.これからの仕事の方向性を考えるうえで、
ためになる話しが聞けました。
6.ありがとうございました。
迷いますネ。3/4消費者へのシフトダウン
7.運営の皆さんご苦労様です。大変意義深い話しでした。
久しぶりに参加して、良かったです。
こういう耳の痛い話しをどんどんやって下さい。
8.今回は、いつもの木造塾の視点と違って
逆に、参考になったことが多い!
9.震災後、今後のマーケットが、どうなっていくのか?を気にしていたが、
今回は、一つの方向性を見出す事ができた。
地域に根ざす工務店として、地域に対して、顧客に足して
「知りながら害をなす」ことを今後しない決意をもち帰って
社内に提言したいと思います。
ありがとうございました。
受講風景