2010年度
第4回講義を終えて
講師の辻 光孝氏は、兵庫県の出身で、設計事務所勤務を経て2001年の岐阜県立文化アカデミーの教員として、木造住宅の設計手法、性能評価の講義を受け持つ傍ら、木造建築プロジェクトとして木造住宅、公共木造の設計、又、ウッドマイルズ研究会監事、美濃道の駅実施設計専門部会委員、岐阜県産材ポ-タルサイト選考委員等の用職でご活躍してみえます。
今回のご講義は、緑の自然に囲まれた大変環境の良い中での教室で行われ、受講生の皆様には、場所、時間共変更に成り心配しましたが、予定通り開始でき又、多くの方々に参加して頂き
感心度のたかさが伺えました。
自立循環型住宅の考え、住宅エネルギー性能の計算方法、入居後の光熱費をどのように削減するかで・・・・地球の自然を守る為、温暖化などの環境負荷(CO2 )をいかに抑制するかで各家庭部門の技術の開発を目指す為の講義で、省エネルギ-基準、建築環境総合性能評価システムの説明に続き、自立環境型住宅とは、気候や敷地特性、立地条件で住まい手に極力自然エネルギーを活用し、建物と設備機器の設計し、居住性や便利性を向上させ、二酸化炭素排出量を標準的な住宅と比較して50%のまで削減が十分可能で2010年まで実用化できる住宅の講義でした。
住宅のエネルギー性能の設計手法のなかで、居住時のエネルギー消費の(環境家計簿)を入力する事で自宅の消費率が非常に分かり易く、身近に感じ、興味がわき又、自然エネルギー利用、断熱向上、設備環境計画、建物のプランニング配置、住まい手の健康スタイル、地域の気候風土に合った対策等の考え方を提案する事が大切と思いました。
日本の食糧自給率は約40%で、自然エネルギー率が約4%以下と聞き大変ショックでした。
水力、火力、原子力、新エネルギー発電等が有りますが、一方では、原子力発電は環境に良いといいますが、大量の冷却水が必要と(信濃川の水量、日本第3位)伺っています。
地球温暖化の抑制に対し少しでも心がけ、子々孫々に言い伝えて対策、検討、実施する事が必要と思いました。
終了後は、施設内の見学会を希望者のみで行い、先生より説明して頂ました。 テクニカルゾーンを初め、森のコテージ、森の情報センター、卒業生さんの建物、在籍の学生さん建築中の建物の見学を約1時間程度、緑の小道なかを散策、学生さんへ建築施工の指導と業社さん共同と対応時期の苦労話しで、大変有意義な時間でした。
<受講生の感想>
●数値として客観的な性能評価を示すことは施主にとっても設計者にとってもメリットが多くので標準として設計にとりいれていきたいと思いました。
●エネルギー消費量の算定をはじめてやったけど、思ったより難しくなかったので、今度自分の設計した物件でも試してみたいです。
●環境家計簿も使いやすくおもしろそうなので試してみたいです。
●各項目がエネルギー数値及び家計簿によるコストに表されて、オーナーにも分かりやすく内容がおもしろかった。しかし、全体として建物の性能による割合より家電及び設備による割合の方が多く、どこまで建物ががんばらなければならないのか迷うところもあると感じた。
●自立循環型住宅の講習は2度ほど聞いたことがあるが、実際の計算として削減率を算出できたのは良かった。そして、より良い住宅(良い数値)にするには、どの個所を変えると良くなるかを知ることができた。
●トップランナー基準と環境家計簿のリンクはさすが辻先生でした。自立型も取り入れた手法はおみごと。
●家電シートもらってぜひやってみたい。今年みたいな猛暑は夏のエネルギーかわりますよね?期間も長くなりましたし。