2010年度
第3回講義を終えて
講義の中で、柱が太くない建物でも、壁なしで出来ているのは新鮮な驚きでした。
アンカーボルトで固定されていないので、西岡棟梁も言われているように、壊れないのでしょうか。
私の父も棟梁でした。父の建てた筋交いのない2階建てで育ったのですが、伊勢湾台風の時は、倒れるかと思いました。南側の雨戸が破られたら、北側の戸をたたき割って、逃げるように言われて、中から押さえていました。結果、傾きはしたものの、倒れませんでした。周りに何もない、風当たりの強いところでの農家の2階建てでした。
やはり、大黒柱と太い差し鴨居と土壁の田舎普請はそれなりに強度があると実感していたのですが、内陸部は風荷重は低減されます。海岸端ではひとたまりもなかったと思います。
でも、4寸ちょっとの柱で(ピッチは当然細かいですが)壊れない?資料のCDを読み進め、その理由を考えたいと思います。
<受講生の感想>
●壁・筋かいによる補強が、木造建築には必要と考えていましたが、古い工法の中に新たな技術が隠されているとわかりました。
●前回の大橋先生とは全く違った視点からの「木造」に関する話をきけてよかった。両方の話をもとに自分なりの考えを確立していきたい。
●知っておくべきことが膨大にあって途方に暮れそうですが、まずは下山先生の資料を読みたいと思います。とても楽しい講義でした。ありがとうございました。
●日本の建築の技を改めて学べて良かった。先生のおっしゃるように法的に矛盾を感じるところもあるが、少しでも取り込めるものを考え工夫しなければと思う。
●めずらしい話が聴けて大変おもしろかった。
●今日の講義は今までになく楽しく、おもしろく聞けました。下山先生の発想がおもしろい。
●ここ数年、新しい法律、新しい工法に目がいっていたが、古来からの日本の建築の良さを再認識できた。ゆったり流れてきた歴史の中でできた建築の、その偉大さを尊重することは大切である。
●架構から入る「礎石建柱」これらは木造の基本(基礎)として現在の多様な建築様式に振り廻されがちな考えを基本に戻すという上で重要な事だと思われます。
●疑問に思っても常識だと言われると納得するしかないと思っていたが、そうでもないこともあるのだと物の考え方が広がりそう。
●これからはSI(スケルトン・インフィル)にしないと駄目だと言われるが、昔は普通に存在していた。一時否定されていたものをうまく利用しているのにすぎないのでしょうか?
●これより先は立入禁止という札がなくなる時代が来ますように。
●昨年に続き今年も受講させて頂いていますが、大変勉強になりありがたく思っています。飛騨からの参加の為、3時間の講義に車の運転時間が4時間以上は大変残念です。1日の講習だとありがたいと思います。
●今までの建築をくつがえされる講義でした。聞くことすべてが新鮮でもっと聞きたいと思いました。自分が携わってきた木造工事をもっと深く知ることができました。
●カラ―資料にデータがありましたら配布していただきたいです。ヤフーかグーグル等のファイルの共有などが便利だと思います。