2009年度
2009 第6回 「若杉活用軸組構法」とは
11月28日 講師 六車工務店 代表 六車 昭氏
六車誠二建築設計事務所 代表 六車 誠二氏
現在、戦後に造林されたいわゆる若齢木が、木材市場の大半を占めつつあります。
「この若齢木はどのような特徴を持つ材なのか」
「どのように対応していくのか」
戦前からある80年以上の木とはまた違った取組み方をしなければいけないという考え方のもとに、20歳代の若い大工職人を育てながらのその取組み方について、設計、施工の両側面から、御二人に交互にご報告をしていただきました。
基本的に、構造材はすべて四国産の杉を使用し、木の強度、美しさを保つため、人工乾燥は一切しない。
すべて、天然乾燥とされています。
そのため、乾燥し易くするために、柱はもちろん、梁、桁類にも背割りを入れているとのことです。
また、背割りを施しているため、梁、桁の継手が限定され、継手の下に肘木、敷桁を入れて補強しています。
そして、こうした取組みは伝統型軸組構法で行なわれており、金物、筋交い、合板は使用していません。
そして、当然プレカットでは対応できず、すべて手刻みで行なっています。また、建て方は、クレーンを使用しません。
そして、仮筋交いも必要ないということです。 というか、伝統型構法のため使う必要がないということです。
現在、若手の大工職人育成のため、大学卒の大工見習いを一応3年を目処に棟梁にさせ、お施主さんの了解を得て一棟まかせ、墨付け、刻みをさせて建てさせています。
そして、20代で棟梁となり、30歳までに独り立ちさせて、全国各地の地元で活躍できるようにさせているとのことです。