2009年度
2009 第1回 「WA-HOUSEの設計手法」
6月27日 講 師 : (有)横内敏人建築設計事務所代表
京都造形芸術大学環境デザイン学科教授・副学長
横内 敏人氏
横内先生は若い頃は西洋建築に魅せられ、東京芸術大学をご卒業後、単身アメリカに渡られ
マサチューセッツ工科大学で学ばれましたが、そこで自然を取り入れる日本独自の、建築手法の良さを改めて感じられたようです。
そこで、先生は「自然と一体感がある家」を第一に考えられ、生活は自然との調和とあるべきで、自然を実感できる家を理想とされておられるとの事です。
自然を感じる家にするには「庭」の存在が欠かせない空間であり、「家と庭を一体で設計」が先生にとって設計上の重要手法だとおっしゃられていました。
その手法の一つに「開口部」があります。庭と住空間を仕切るだけのアルミサッシュでは無く開口の大きい木製のサッシュで光を美しく取り入れ、框を隠す事により内部フロアと外部の庭と一体感生まれるように工夫をされておりました。
また同時に、プライバシーの確保のために先生は溝付スライドのロールスクリーンを考案し、その家に「最適な住空間」を設計する事に力を入れておられると感じました。
また、先生は「控え目な外観で豊かな内部空間」とも考えられます。
周辺環境から突出するのではなく街並みに溶け込むように心がけ、どんなに小さい建物であっても、外観ではなくインテリアに価値観をおき、「家具・建具」など一貫性をもたせ、豊かな内部での生活空間をつくり、空間芸術とし、時を越えても長く愛される住宅を目指し設計を続けたいと考えられている事を先生の講義より大変強く感じ取れました。
今回の講義で、いかに自然と向き合いそして共存し合い、その豊かさ、時には難しさを上手く取り入れ生活を送る事の大切さを感じ取った講義となりました。