2008年度
2008 第6回 「日本の民家を見直す」
11月22日 講師 : 木の住まい考房主宰
金沢工業大学・秋田県立大学名誉教授 鈴木 有 氏
鈴木有先生は、木造建物の耐震性の研究を始め、伝統的木造建物の耐震診断・改修指針などをてがけられ又伝統民家の自然素材で環境負荷・地場職人の継承・木造建築の復権、再生に務めてみえます。
日本、伝統民家の木造構法の(底力)と題し、力の分散を考え (立格子状の軸組) (吸振関節木組みの接合部) 揺れを抑え、エネルギーを消散する (土壁) (貫架構、土壁下地小舞) 簡便な免振機構として (自然石の基礎上に置く柱脚) 又、日本最大の振動実験台で兵庫耐震工学研究センター (E-ディフェンス) 在来工法の破壊実験、壁土剥れ、建物倒壊状況をスライド検証説明は非常に分り易く参考に成りました。
日本の民家は、エコロジー性と資源の活用と消費、町と里山、自立資源循環型社会の内容とその構造にも自然環境と人間の共存の思想が感じられるに対し、現代構法の技術は、自然の猛威 (地震) を力で押さえ込み、地震力を想定し、破壊、揺れにくい剛性の住宅を建造してきた。
現代の技術観点の見直し、民家の仕組み学び地震の備えと自然の共生を謳える事で、大変考えさせられる内容であったと思いました。
又、講義後にE-ディフェンスで伝統的木造塾組構法住宅の振動実験が、20年11月28日、12月4日と2回、新たに設計法を開発し改正建築基準法の整備と円滑な建築に資する事で検討されています。