2019年 ぎふ木造塾 第1回講義
開催日 :2019年8月30日(金)
会場 :じゅうろくプラザ 中会議室1
参加者数:27名
令和元年度の「ぎふ木造塾」第1回講義は、東京大学大学院教授の稲山正弘先生を招いての講義でした。 当初は、講義で説明を受けた建物を見学会で実際に見に行く、という企画でしたが、高校の2学期が予想外に早く始まったため、講義日が平日の午後ということもあり、受講者が、期待していたより少なくなってしまいました。
稲山先生には、受講者は高校生を対象にしている、とお伝えしていたため、講義内容に学部の紹介などの内容も含まれていましたが、説明の内容は実務者向けの、専門的な内容も話して頂き、テーマのとおり木質構造を「より強く、より自由に、より美しく」する実例を知ることができました。直交格子、斜め格子壁、斜め嵌合接合、シザーストラスなど、新しい構造についてもお話しして頂けました。
見学会の目的地でもある、北沢建築本社工場の一見すると複雑に見える樹状方杖トラスの架構の仕組みも、わかりやすく説明して頂けたので、理解することができました。構造の考え方も、木材の強度、接合部の強度、フレーム強度、建物全体の強度という順番で、小さい部分から検討を始めて、建物全体の安全が成り立つという、木質構造の設計の順序の説明もありました。
稲山先生が長年、取り組んでこられた「壁-1グランプリ」のお話しでは、地震に抵抗するには、合板などを張った壁より、通し貫きのような「めり込み」を利用した壁の方が成績がいいというお話しを聞いて、伝統技術がとても理にかなっていると感じました。
今回の講義では、新しい構法も伝統的な構法も、どちらも木材の特性を生かすということでは、共通していることを改めて知ることが出来た講義でした。