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2017年 ぎふ木造塾 第5回講義 報告

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岐阜木造塾第五回講義  テーマ「自然さ」

講師に来て頂いた南先生は、伊東豊雄建築設計事務所のスタッフとして約2年間岐阜で仕事をしていました。

そのご縁もあり又、岐阜で今回は講師としてお迎えしました。

 

〈伊予西条の住宅郡〉

 

南氏の現在進行形のプロジェクトである伊予西条は、数名の建築家で構成されていて、10棟の住宅郡を一人の設計者が担当しそれを集めて一つの街を造る大変興味深いプロジェクトでした。

南氏の設計コンセプトは講義のタイトルと同じ自然さ。 ここで氏の言う自然さとは、環境面の事ばかりを言うのではなく元々その土地に伝わる風習や住人の営み、物事に向かう姿勢の中にあるという話がとても印象的でした。 

西条を知る為に設計前には何度も泊まり込みをしながら現地の人と会話をし、その土地の風を感じ、自分の中でまとめていく作業をするということで、そこに住む人、携わる人の為の設計なんだなと感じ ました。

 

〈森のなかの離れ〉

 

長野の山奥に設計している建物で、一つの大きい建物を造ってその中に部屋を割り当てるという当たり前のスタイルではなく、森の一つ一つの居心地の良い場所にそれぞれの建物を造るというものでした。 それは、川の流れを見て楽しむ部屋であったり森の風景や風を感じる場所であったり、そこにしかない心地よさというものを最大限に利用した建物でした。

また一度に新しいものを造るのではなく、その家族に合わせて時間をかけてその土地に馴染む場所を造っていくという話がとても印象的でした。

 

〈中目黒の美容室〉

 

この美容室の話が個人的には一番面白かった思いがあります。 小さなどこにでもあるようなマンションの一階の美容室の改修で、開口も奥行きも狭い物件。

鏡と椅子の配置程度かと思いきや南氏は狭い間口を最大限に利用するアイデアを仕込んでいました。 カットする時に正面の鏡は自分だけが映り、隣の鏡には外の風景が映り込む、その立ち位置によって中と外の様子が分かるようにしてありとても面白いアイデアだと面白いました。 また入口近くにアクリル柱を設け虹を人為的に造りだすという発想は大変面白かったです。

 

また南氏はメディアコスモスの話もしてくれました、グローブの形が決まるまでの過程や設計意図、細部に至るまで一つ一つが考え込まれてると知り非常に勉強になりました。

 

最後に私が講義を拝聴して感じた事は南氏の考えや設計にはぶれない芯があるなという事でした。 居心地の良い建物、そこにあるものを生かした建物、そこに住む人の心が豊かになること、それが南氏の言う「自然さ」なのだと私は感じました。       

                                                 児島

 

 

 

 

 
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