福まち建築士 2018年度
第1回 フォローアップ研修 「手すり」について
日時:平成30年度11月30日(金) 13:30~16:00
会場:岐阜県介護研修センター3階講義室(岐阜県立寿楽苑内)
研修内容:建築士として覚えておくと役に立つ在宅の生活を支えるための知識の習得
グループワークを通し知識の共有と交流を図り実践に生かす
参加人数:23名
報告者:桂川麻里
住宅改修 基礎知識 「手すりについて」
矢崎化工の岡本様にカタログや手すりのサンプルを使用して「住宅改修研修~手すりについて」のお話をして頂きました。
木製やイレクター製(矢崎化工の商品)、浴室用、屋外手すりを実際にサンプルを手にしながら説明を聞くことでより理解が深まりました。私は基本、木製の手すりを使用していますが、スパンが長い場所では是非使用してみたいと思いました。
また、イレクター製には蓄光手すりもあり、30分以上の光を当てておくと夜中6時間は光っているそうです。最近は廊下等は人感センサー付の電灯を使用するので必要ないですが、災害時、電気が使えなくてもその明かりを頼りに歩くことができるので、お年寄りだけのお宅には必要だと感じました。
その他ブラケットの種類や取付方、レンタル商品も紹介して頂けました。
介護保険を使っての手すりの取付だけでなく、新築物件にも提案として色々なことや物を見ることが出来て良かったです。
休憩時間
今回は実際に体験する研修ではありませんでしたが、休憩時間に寿楽苑側に用意して頂いた手すりを矢崎化工さんにも説明して頂きながら皆さんに見て、触ってもらいました。
色々な手すりの見学
在宅で使われる手すりメーカーの紹介
福まち部会の下川様に「手すりについて」色々なメーカーを紹介して頂きました。
手すりの話の前に、平成29年7月から介護保険における住宅改修の対象として認められた「衝撃緩和型たたみ」を紹介して頂きました。まだま情報に疎いのでこういった機会に情報網を広げていきたいです。
また、福祉住環境コーディネーターのスキルアップ情報誌を配布して頂きました。最終号ですがこれ一冊だけでも必要な情報がかなりまとまっているので参考にしていきたいです。
他に福まち部会で「バリアフリー珍百景(目的が達成できていないバリアフリー)」を皆さんと気軽にネットで共有できるようにアップを始めた報告をして頂きました。公共の施設でも使いにくそうと思うだけで実際に握ってみることはありませんでしたが、立ち上がる時に使用してみることで分かることも多々あることを学びました。たくさんあってはいけない珍百景ですが、色々な方に投稿して頂き福まち建築士の方々には失敗事例を作らないで欲しいと思います。
手すりについては、矢崎化工、ホクメイ、アロン化成、マツ六、シロクマと5つのメーカーを紹介して頂きました。ちょっとした手すりですとホームセンターで購入したり、新築ですと他の建具等の建材とともにそのメーカーに発注してしまうので、知らないメーカーのものばかりでしたが、それぞれのメーカーごとに特色があり、適材適所で使用出来ていけたら良いと思いました。
色々な手すりメーカーの紹介
グループワーク 「手すり」について意見交換
4つのグループに分かれて、「新築の場合」、「改築(一般リフォーム)の場合」、「疾病を持った方の改築の場合(介護保険住宅改修等)」、「その他」の内容について意見交換を行いました。
私の4グループは実際に手すりについての施工や設計に携わった方はいませんでしたが、自分の親の自宅で介護保険を使ったばかりだという方のお話を聞きました。足を骨折したので家中に手すり等を付けたそうですが、入院中にケアマネや医者・福祉用具販売の方々が話し合い、退院と同時くらいにトイレの手すりの設置が終わって、それ以外はほとんどレンタルで済んで建築士の出る幕はなかったそうです。一人暮らしで実際に使ってみて問題なく使用できているそうなので良かったですが、そうではない事例も聞きますので、どのように出る幕を作るかが課題となりそうです。
それ以外にも新築の場合でも手すりは設置しないが、あらかじめ手すりが取付出来るように下地を入れておくという意見も出ましたが、昨年度の研修の時に手すりの使い方によっては疾病がひどくなるということもあったので、むやみにつけることも良くないという意見も出ました。
グループワークの様子
その後、それぞれのグループで一事例ずつ発表しました。
どこも住宅改修の事例や、私達のような内容も出てきましたが、公共のものについての事例も出てきました。公共のものは住宅よりも出入口の間口も広いし、連続することが住宅以上に重要になってくるのに、難しい場合が多々あります。
手すりのメーカーさんにも頑張ってもらいたいですが、設計する時にも全て完璧には難しいですが、将来のことも考えつつ設計が出来る建築士を目指したいです。