ぎふHM 2023年度
令和5年度 HM 第8日目
テーマ:高山市の文化財・町並み保存の方法と現状について(講義)
文化財の改修整備活用事例等(見学)
日時 :令和5年9月2日(土) 13:00~17:00
場所 :高山市若者活動事務所「村半」
参加者:24名
1.高山市の文化財・町並み保存の方法と現状について(講義)
講師:高山市教育委員会文化財課 課長 牛丸岳彦 氏
① 講義風景 ② スライド 以前の古い町並みの様子
始めに高山市の地理、歴史と、町の発展について概略の説明を頂きました。高山市はいつくかの街道の中心点に位置しており、戦国時代の終わりから町の基盤ができ、高山城が築城されたが城がなくなってからは主に商人町として、幕末から養蚕業により発展していったことを聞きました。また、高山の古民家は町家型と農家型(板葺き)に分けられ、町家型の街並みは出格子が特徴とされているが、かつては蔀戸(しとみど)が一般的であったようです(写真②)。
その後市内の伝建地区の規制と補助について説明がありました。市が指定した特定物件の修理工事は補助率80%限度額900万円、非特定物件の修景工事は補助率80%限度額500万円の補助があるとの説明がありました。
また、市内の指定文化財についても説明を受けました。当日の会場となった「村半」は以前は繭の取引を行っていた商家で、しばらくは空き家であったところを高山市所有とし、地元の方々や地元の高校生を中心として一緒に再生プランを作った事例です。
豊富な画像と資料で興味深く受講しました。とりわけ昔の写真が面白く懐かしく楽しかったです。
2.文化財の改修整備活用事例「村半」・重伝建「下町 下二之町大新町」古い町並み・RC耐震改修事例「東本願寺高山別院・照蓮寺」・国指定重文「日下部民藝館」(見学)
講義会場の村半を見学した後、講義の最後にメンバーで構造担当者の車戸さんから説明があった東本願寺高山別院に向かう道中は、400年前からあるというカネオリの坂道を通りました。
③ 高山別院耐震改修仮設の様子 ④ 村半 欄間:電柱とツバメ
⑤ 村半 外観 ⑥ カネオリの坂を上がる
高山別院は建設当初から幾度も火災で焼失したので現在はRC造となっているものを耐震改修し、高寿命となりました。鉄骨ブレス挿入ではなく、和風格子の耐震壁としたことで評価を受けています。
⑦ 高山別院 外観 ⑧ 耐震改修 鉄骨格子部
最後は充電建「下町 下二之町大新町」の古い町並みを再び通って「日下部民藝館」を訪れます。ご当主より気取らない旧家の昔話を伺いました。よく隣家の吉島家と比べられ、「日下部家は男性的、吉島家は女性的」などと云われているが、日下部家は元指物師、吉島家は宮大工の仕事であるので様々な相違があると、また、古民家が時代の流れにうち捨てられていく事を免れた、民芸運動などのこれまでの経緯をお話下さいました。暑い中での盛りだくさんの講座となりました。
⑨ 日下部家ご当主より説明 ⑩ 美しい日下部家の吹抜
⑪ 集合写真 日下部家前