ぎふHM 2022年度
HM第12日目
テーマ:岐阜市上宮寺の耐震改修の事例について(講義・演習)
日時 :令和4年11月19日(土)10:00~15:00
場所 :午前講義 (一社)岐阜県勤労福祉センター ワークプラザ岐阜 4階402会議室
午後実地研修 上宮寺 岐阜市大門町12
参加者:30名
石黒会長による挨拶の様子 講習の様子
上宮寺の耐震改修工事について(講義)
岐阜県建築士会 加藤達夫氏に上宮寺耐震補強工事について講習して頂きました。
上宮寺概要 所在地 岐阜市大門町12番地
構造 木造2階建て(在来工法)
床面積 1階 221.17㎡ 2階 72.18㎡
延床面積 293.34㎡(80.9坪)
築年期 江戸時代後期と言われている
特徴 襖を取り払うと30帖の大広間になる
庭に面して外縁が設けられている
離れに風雅な茶室がある
与条件について
1.江戸時代築のこの建物は、庫裏の大広間を目的に建てられたため、耐力壁が全くない。
2.一般的な耐震指数を満足させるための試算は、予算を超過してしまう。
以上の条件から、大地震が発生した際には大きな損壊は防ぎ小損壊にとどめ、中に居る人命は守る。
その後修理をして建物の継続使用を目指す、という設計方針をたてられました。
構造補強について
1.内部の耐震補強壁として、真壁造り構造合板t12両面張のうえ、PBじゅらく仕上の耐震補強壁を内部に南北7ヶ所、東西7ヶ所設置。
2.外縁には木格子壁の構造補強壁を、南北に2ヶ所、東西3ヶ所設置。
費用削減のための工夫
1.書院座敷の天井・内法材の解体はしない。
2.耐震壁要の柱は外縁の天井を外して外側から取り付ける。
3.既存の建具を利用する。
4.柱と桁の接合仕口には大型L金物を使用する。
5.外縁の耐震壁は、願望及び採光を考慮して90ミリ角材の格子壁を使用。
6.床の間の書院窓廻りを構造合板で補強。床の間横の押入の襖の向きを替え、耐震壁を設置。
7.水平力を高めるため、床下・天井裏に火打ちアングルを設置。床下の束石及び、束木、根がらみの取り換え。
現地の施工状況の写真を交えて、ご説明していただきました。
午前講義の後半は、上宮寺の耐震工事も施工された宮大工の丹羽陽一氏に、伝統的な木造仕口の説明や、貴重な銘木・樹種について解説をしていただきました。
加藤達夫氏講習風景 丹羽陽一氏講習風景
講習の様子 講習の様子
講習の様子 講習の様子
講習の様子 講習の様子
次回のガイダンス
次回13日目の講座【12月3日:真龍寺の耐震改修事例について】の説明がありました。
上宮寺現場視察(実地研修)
午後からは、現地の上宮寺にて耐震改修の実例を加藤氏、丹羽氏に解説していただきました。
現地視察風景 現地視察風景
現地視察の様子 現地視察の様子
現地視察の様子 現地視察の様子
各班個別ミーティングの後、解散。