ぎふHM 2022年度
HM 第1日目
日時:令和4年5月14日(土)13:20~17:50
場所:OKBふれあい会館 3階 301会議室
参加者:32名
ガイダンス
岐阜県ヘリテージマネージャー(以下HM)育成及び文化財建造物保存修理スキルアップ講習会ということで、その開催に至った経緯や岐阜県HMとして今後どうしていくのかを説明して頂きました。
横井守会長挨拶
講義の様子
登録文化財と歴史的建造物保存事業の概要(講義)
工学院大学教授・理事長・全国ヘリテージマネージャーネットワーク協議会運営委員長の後藤治氏に講義して頂きました。
HMの設立の背景を聞き、これからHMとして法令用語が分かっていることが重要ということで、「指定」と「登録」、「修理」と「管理」等の違いを教えて頂きました。この違いが分かれば「保存活用計画」を立てる時に所有者の負担にならないように出来ることを学びました。
次に街並みをよくする考え方、最初の取り掛かり、その後の進め方を高知県や秋田県を例に教えて頂きました。高知県の街並みは実際に見学したことがありましたが、そういう流れであの街並みが出来ていたのかと実感しました。今年度の全国大会は秋田県です。今度はいつもと違った視点で見学出来ると良いと思いました。
HMになった後の保存修理事業や観光拠点整備事業等の情報も教えて頂きました。
後藤治氏講義風景
他に文化庁がまとめている保存活用計画の構成を教えて頂きました。計画策定のポイント等も図と写真と共に説明して頂き、とても分かりやすかったです。何を残して何を省くのかを取捨選択出来るように勉強をしていき、良い建物を残していけるようになりたいと思いました。建物保存に固執するのではなく建物を活用する方たちの意見も取り込める柔軟な考えがHMには必要になっていくのだと第1日目でこの話を聞けて良かったです。
今後のスキルアップ講座もどのような内容を勉強すれば良いかも教えて頂きました。これらを踏まえて岐阜県に合ったカリキュラムで学んで行けたらと思いました。
ヘリテージマネージャーの役割と現状(講義)
ひょうごヘリテージ機構H2O世話人(特命係) 沢田伸氏に講習して頂きました。
HMの誕生の背景を図や写真と共にお話しして頂き、大震災等の後には文化財に登録されていたのは残される活動が始まりますが、名建築でも壊れてしまうとただの瓦礫になるという落差があるということから進んで来たようです。
兵庫県ではHMとは「地域に眠る歴史的文化遺産を発見し、保存し、活用してまちづくりに活かす能力をもった人材」と定義されているそうです。それを考えると建築的なことだけではなく、広範囲に渡って考える必要があるということを覚えておきたいです。
建物「単体」ではなく「地域」をキーワードとして考えて行くと重要な建物と位置付けることが出来るということを教えて頂きました。
沢田伸氏講義風景
兵庫県では「この指とまれ方式」、「地区制・世話人制」をキーワードとして現在まで続いてきたそうです。また、一人で行うのではなくチームを大事にしていくことが大事だということだそうです。
取り壊される直前にしか残そうという活動がなされませんが、熊本県では所有者に建物の価値を分かって頂けるように建物の誕生日会をする等様々な活動をしているということが印象に残りました。また、兵庫県では建築士としてのHMだけでは行き詰まりを感じ、多職種の方達も講習を受ければHMとして活動しているそうです。岐阜県ではどのような形にしていくのがよいのでしょうか。全国の取組にも目を向けてみようと思いました。
質問の様子
講座の班割及び班役割決め ※地域ごとに
講座の後に、地域ごとに班に分かれて班の役割を決めたり、今後の話し合いを行ないました。
今後はこの班ごとにこの講座を運営していきます。その中でHMの取り掛かりの地域の繋がりを構築出来たらと思いました。