岐阜県建築士会 まちづくり委員会

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福まち建築士 2019年度

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福祉まちづくり フォローアップ研修

日時:令和元年10月24日(木) 13:20~15:30

出席者:12名+講師1名

 

講義風景

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講師

 中村正則氏

  日本建築士連合会 福祉まちづくり部会 部会長

  徳島県建築士会 バリアフリーデザイン研究会 顧問

  M&N都市建築設計事務所(徳島市)所長

 

1.日本建築士会連合会の取組

 今年度の建築士会全国大会 北海道大会での内容を説明して頂きました。

 連合会として退院前カンファレンスへの参入を進めていくための足掛かりとしてモデル事業を行うこととし、秋田県・東京都・愛知県・徳島県そして我々岐阜県で実施していくととし、現在岐阜県内で進めています。

 また、国交省から『骨太の健康増進にSWHの成果を周知する人材を!』ということで地域包括に住宅の専門家を入れるためにこちらもモデル事業を始めるそうです。

 ※SWH(スマートウェルネス住宅)

 

2.『徳島市のリフォームヘルパー派遣制度』の紹介

 本人1/3の費用負担で、市と県とが残りの1/3ずつの費用を負担する補助事業だそうで、今までで800件以上の実績があるそうです。

 申請は市・市包括に行うことにしているそうです。

 事例紹介として、市包括からのFAXから始まり、図面・改善計画書(図面を多く描くのではなく箇条書きで見積をしやすいように)・工事の改善平面図・住宅改善の前後の写真を紹介して頂きました。

 リフォームヘルパー養成テキストも資料として付けて頂きました。養成テキストとありますが、私たちが行うリフォームにも役立ちそうな資料です。

 また、ADL的な住宅改善だけでなくこれから増えて行く単身者の孤立が深刻化してきているので、合わせてQOL的な住宅改善をしていく必要があるということで住まいの改善をしてきそうです。それに対しての事例と施主様の感想を読ませて頂きました。新築建物に対する感想は読んだことがありましたが、これほどの感想は拝見したことはありませんでした。

 QOL的な改善でスト、生活の幅が広がるために元気に活動していけるような気がしました。

 

3.徳島県建築士会バリアフリーデザイン研究会の活動の紹介

 平成7年1月から立ち上がった研究会だそうですが、現在も続いているそうです。

 今までは高齢者等の対象者の為の居住改善が目的でしたが、今年度から家族や訪問看護等の介護する側からみた改善もしていくという活動もしていくそうです。多職種との連携も必要となっていくと思います。来年度から実施していくそうなので、今後の活動内容も報告して頂きたいです。

 

4.その他 知っておくと便利な建材(マツ六)・設備機器の紹介

 マツ六で中村氏のおすすめの商品

  壁面収納式玄関椅子・木製ベースプレート・エコ引戸※扉はそのまま使用できる・アウトセット引戸・ヒーター内蔵型天井照明・32ソフトアクアレール※ユニットバス用後付け手摺・32ソフトアクアレール※浴室後付け用手摺下地・あんから※浴室用床シート・すのこ調整君※浴室用すのこ

 その他、他メーカー等のベッドサイド水洗トイレ等を紹介して頂きました。

 他にもたくさんの商品が載っているため、色々なシーンで使用できそうです。

 

座談会風景

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意見交換会・座談会

 一人ずつ自己紹介と感想・質問を言って始まりました。以下はその時の質問や座談会での内容をまとめました。

 ・ほかの場所に洋式トイレがある為に使用者に一番必要なトイレを介護保険を使って改修でき

  ない

 ・名古屋城木造天守閣昇降に関する新技術の公募が12月から始まる

 ・建築士として新築とリフォームも関係なく色々考えなくてはならない

 ・建築士から発信をしなければならない→敷居が高いと思われている

 ・徳島のリフォームヘルパーへの工務店は何か条件があるか→基本は施主様の知り合いで、

  いない場合はリフォームヘルパーが責任をもって紹介する

 ・アンケートは何かのたびにするとこれからの役に立つ

 ・徳島市のリフォームヘルパーの建築士会の資料だけでなく市の資料もたくさんあるので、

  その資料を利用して県や市へ相談に行くと良い→事例があると説得力がある

 ・石川県の活動:20年経ってもバリアフリーの改修を相談するところがどこか分からない

  →全国的に広がって行かない

 ・在宅の補助金を増やした方が他に施設をつくりそこで生活していくことより予算が少な

  くてすむ

 ・介護保険を使う必要がないところでも適正化することが大事→それを行うのはやはり

  勉強した建築士でないとダメ

 ・月に在宅だと12万で施設だと29万、17万の差額がある→在宅の補助金を増やしても

  おつりがくる

 ・経験がなく自信がなくても寄り添える存在になれば良い

 ・福祉まちづくりの合言葉:地域の中の町医者的な建築士(よろず相談)

 ・バリフリBOX(重度の障害を持つ子供たちの会)

 

たくさんのためになる意見が出ました。すぐに全てを解決することは出来ないと思いますが、問題点も一つずつ解決出来るような福まち建築士を目指していかないといけないと思いました。