委員会
金沢職人大学校視察
大工研修会(勉強会)を岐阜県で開催したく、金沢職人大学校さんに視察に行ってきました。金沢市では、職人の技術の向上や産業の発展で職人学校を開校したのではなく、「歴史に責任を持つ文化政策でまちづくり」の考えで20年前に学校を開校しています。石・瓦・左官・造園・大工・畳・建具・板金・表具の9業種9組合より寄付を集い金沢市が出資金を出して金沢職人大学校を設立したそうです。もう本科(金沢匠の技能士)では8期生になるそうで、20年前の一期生が現在の講師をしている科もあるそうです。
視察時に武家屋敷の土壁を雪や寒さから守る、石川県の冬の風物詩「薦(こも)掛け」の準備をしていました。
修復専攻科(歴史的建造物修復士)もあります。こちらの科は本科を卒用した方や設計士の方などさらに3年間学ぶそうです。修復専攻科の加工場には色々な材料(古材)が積み上げられていました。仕口など複雑な物まであり3年間みっちり学べると思うと羨ましいです。
本科、修復専攻科に参加している年齢は30代~50代で各組合の推薦で中堅職人の方が学ばれます。卒業後本科は「金沢匠の技能士」、修復専攻科は「歴史的建造物修復士」の称号が与えられ、金沢市の仕事をする際、技能士の資格を持った方が行うなどしているそうです。また、学校が仕事を受け卒業生などが自主研究グループを作り、こちらに学校から仕事を依頼しているそうです。
事務局長がとても熱心に説明くださり有意義な視察でした。